Alder Lake-PとAlder Lake-Mは主にモバイル向け製品を対象にしたCPUとなっていますが、Chromebookの最新Coreboot Patchからこれらの製品の最大消費電力制限(PL値)が判明しました。
CES2022で登場予定のモバイル向けAlder Lake
Alder Lakeに関しては、デスクトップ向けとなるAlder Lake-Sの中でもオーバークロックが可能なKシリーズが10月から11月にかけて発売が予定されている一方で、残りのAlder Lake-Sおよびモバイル向け製品となるAlder Lake-PとAlder Lake-Mは2022年1月5日から開催されるCES2022にて発表および発売が実施されると見られています。今回取り上げるのはCES2022で登場予定となっているAlder Lake-PおよびAlder Lake-Mで瞬間最大的にパフォーマンスを増強するPL4やPL2および定格動作であるPL1の消費電力量がChromebookの最新Coreboot Patchから判明しました。
各PL値は一部上下はあるが、ほぼすべて据え置き
現行のTiger LakeとAlder Lakeで各PLでの最大消費電力が記載されていますが、Tiger LakeとAlder Lakeでは若干商品ラインアップ上の名称や区分けが異なっています。
Tiger Lake-Uは主に低TDPモデルで、Tiger Lake-UのUP4とAlder Lake-Mが同等モデルとなります。また、Tiger Lake-Uの中でもUP3はAlder Lake-Pの(4+8+2)構成が最も近いモデルになっています。
ゲーミングラップトップやワークステーションなどを主眼に置いたTiger Lake-HはAlder Lake-Pの(6+8+2)構成のモデルが同等となります。
ここで記載されているAlder Lakeの( a + b + c )はa=高性能コア、b=高効率コア、c=GPUを意味しています。
Power Limit | Tiger Lake-U | Tiger Lake-H | Alder Lake-P | Alder Lake-M |
---|---|---|---|---|
PL1 |
UP3: <=28W |
<= 45W | (2 + 8 + 2): <= 15W (4 + 8 + 2): <= 28W (6 + 8 + 2): <= 45W |
(2 + 8 + 2): <= 9W |
PL2 | UP3: <= 38W (2C),<= 60W (4C) UP4: <= 35W (2C), <= 40W (4C) |
107-135W | (2 + 8 + 2): <= 55W (4 + 8 + 2): <= 64W (6 + 8 + 2): <= 115W |
(2 + 8 + 2): <= 30W |
PL4 | UP3: <= 71W (2C), <= 105W (4C) UP4: <= 66W (2C), <= 83W (4C) |
(2 + 8 + 2): <= 123W (4 + 8 + 2): <= 140W (6 + 8 + 2): <= 215W |
(2 + 8 + 2): <=68W |
各PL値を見て見ると、PL1の値はTiger LakeとAlder Lakeの間に変化はなく、両モデル最上位モデルでも最大45Wとなっています。一方で、PL2の値は、Alder Lakeでは合計でのコア数が増える事から数Wほど上がっているモデルもありますが、Tiger Lake-U UP4とAlder Lake-MやTiger Lake-HとAlder Lake-Pの最上位モデルでは逆に数十Wほど低下しているモデルもあります。
最大的にパフォーマンスを上げるPL4*についてもPL2と同じ傾向が見られ、Alder Lake-MはTiger Lake-U UP4に比べて低下している一方で、UP3との比較では35W上昇しています。Alder Lake-Pについては同等モデルで初めてPL4が設定されるようですが、この値は215Wとデスクトップ向けAlder Lake-SのPL2値とほとんど変わらない値になっています。
*PL4は瞬間的にしか利用できず、長くても10msです。
なお、ここで判明しているPL1/2/4の値はあくまでCPUの設計上許される最大値であり、各OEMが発売するノートPCの冷却システムの上限や電源システムの性能によってこの値は大きく変ります。
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