Seagateが40TBの容量を持つHDDを2024年目途に投入予定。データセンターではHDDがまだまだ現役に?
HDDについては近い将来にはSSDなどに置き換えられていくとも言われていますが、ストレージデバイスを主力事業に構えるSeagateではHDDについて現状の20TB程度の容量をさらに向上させるHAMRを採用したHDDに関するロードマップを公開しました。
Seagateでは現在、PMR形式を主流とし最大24TBの容量を持つHDDの投入を予定しています。このPMRは、磁気ディスク上のデータは垂直に磁化することで記憶密度を増加し、容量の向上を実現しています。この技術により最大24TBと言う大容量を実現しているものの、技術的に限界で24TBが最大容量となる見込みとのことです。
一方で、PMRの次世代記録技術としてSeagateが投入しているのがHAMRと呼ばれる技術で、これはレーザーを利用しディスクを高温に加熱し、この時の磁気材料の変化を利用し磁化させ記憶密度をPMRに比べて高める事が可能となっています。
このHAMR技術を採用したHDDについては2023年代3四半期に発売される予定で、1枚につき3.2TBの容量を持つプラッターを10枚搭載することで32TBの容量を実現する見込みとなっています。また、今後は3.6TBプラッターで36TBの容量の他に、2024年には4TBプラッターで40TB、将来的には5TBのプラッターで50TBの容量を持つHDDの開発を進めているとのことです。また、既に5TBのプラッターについては試作機が完成しているとのことです。
HAMR搭載HDDについては上述の通りまだ一般的な販売は行われていませんが、Seagateが提供する高密度データストレージであるCorvaultシステムでは既にHAMR技術を搭載したHDDが搭載されているとのことです。このCorvaultシステムに搭載されているHDDの容量は明らかにされていませんが、30TBを超える容量を持つHDDであると言われています。
HDDは2028年までに絶滅危惧種に?SSDのコスト低減と省電力性で淘汰へ
なお、HDDについてはオールフラッシュのストレージ事業を手掛けるPure Storage社が2028年頃には少数派になるのでは無いかと言う予測を立てていましたが、Seagateが公開したロードマップでは50TBと言う現在の2倍以上の容量まで拡大するとしており、クラウドサービスプロバイダーが重要視する購入から運用までの総コストを示す指標のTCOについては依然としてHDDが有利となる可能性が示されています。特に、ストレージに関しては動画から写真などコンシューマー用途でも大容量化するとともに、エンタープライズ用途ではデジタルツイン化やAI用途では莫大な学習用データの他に、学習済みデータなどを保管する必要があり、ストレージ容量の増大は今後も続くと見られています。このトレンドをなぞる形でHDDについても技術革新はまだ止まっていないとも言えるため、数年先には1個で100TBを超えるようなストレージが登場する可能性さえもありそうでまだまだHDDは注目に値する技術と言えそうです。
コメント
コメント一覧 (2件)
データセンターやクラウドサーバーの膨大な容量はSSDじゃコスト面で賄えないでしょうね
2000年頃に数GBから数十GBに増えて、そから数年でTBにまでなったけど、そこから10年以上停滞。
漸く二桁TBの製品が出て来たけど、価格は高止まり。
進歩する時としない時の落差が半端ない。