AMDでは2023年中にZen 4アーキテクチャーを搭載したEPYC Genoaに3D V-Cacheを追加したEPYC Genoa-Xのリリースを計画していますが、今回このEPYC Genoa-Xに関するスペックシートがリークし、キャッシュ容量などが明らかになりました。
AMD EPYC Genoa-Xのスペックシートがリーク。キャッシュ容量はCPU単体で最大1.25GB搭載も動作クロックは控えめに
AMDでは最大96コアを搭載するEPYC Genoaを2022年に発売し、1コア辺りの性能が高く、消費電力も従来モデルや他社に比べると低い事からサーバー・データセンター向け市場において好調な売り上げを記録し、2023年中にはサーバー・データセンター向け製品のシェアを30%以上にも伸ばす可能性も出てきています。
そんな、AMDですがサーバー・データセンター向け製品のラインアップをさらに強化するべく3D V-Cacheを搭載するEPYC Genoa-Xを2023年中に投入予定で今回、このEPYC Genoa-Xのスペックシートがリークし、一部の詳細仕様が明らかになっています。
EPYC Genoa-Xについて記載されたスペックシートにはES品と製品版のPC品の2つが掲載されていますが、両方のCPUではB1リビジョンで提供され、既に投入が開始されているEPYC Milanと同じく12基のCCDで最大96コアを搭載するようです。
3D V-Cacheについては搭載される12基のCCDすべてに搭載される見込みで、キャッシュ容量はL1キャッシュが3MB、1コア辺り1MBのL2キャッシュが96MB、L3キャッシュはCCD1基に搭載される32MBのキャッシュが384MBに加え、3D V-Cache分が各CCDに64MBで768MB、キャッシュ容量の合計は1251MBと1.25GBを超えるキャッシュ容量がCPU単体で備わるようです。
これは、3D V-Cacheを搭載していた前世代のEPYC Milan-Xに比べても56%増えており、科学技術演算やシミュレーションなどメモリーを多く使い、メモリーレイテンシーがボトルネックとなってる分野では更なる性能向上が見込める事になります。
一方で、3D V-CacheではCPUの上にキャッシュを置くという構造上、熱を持ちやすく、既に3D V-Cacheを搭載するRyzen 7 5800X3DやRyzen 9 7950X3Dなどでは動作クロックが通常モデルに対して低くなっていますが、EPYC Genoa-Xでは元々の動作クロックが低かったこともあり、3D V-Cache化による動作クロック低下は無いようです。
スペックシートによると、EPYC Genoa-Xの動作クロックは最大3.7 GHzに設定されており、96コアを搭載するEPYC Milan 9654と同じブーストクロックに設定されています。ただし、最大TDPもEPYC Genoaと同じ400Wに設定されている事から、3D V-Cache化でより多くの消費電力を必要とするため、全コアを動作させた際の動作クロックについてはEPYC Genoaに比べると低下する可能性が高いと言えそうです。
コメント
コメント一覧 (1件)
楽しみに拝読させていただいてます
>3D V-CacheではCPUの上にキャッシュを置くという構造上、熱を持ちやすく
熱を持ちやすいのなら7950X3DでTc MAXが89度に制限されるのはおかしくて、3D-VCache自体が高温に耐えられないのか、コンシューマ用なのである程度の余裕を見ているのか(パッケージは平気で95度超えてしまうので)のどちらかですね、3D-VCache自体はコールドなチップ?だと思うので、コンシューマ用途にはお互いに微細化困難なIODに載せておけばAPUなどにも応用が効いていいのにと思います