間もなく発売予定の『Rokcet Lake-S』世代のCore i9-11900Kと、AMDのAPUを搭載したRyzen 7 5700Gと、既に発売済みのRyzen 7 5800X、3つのCPUで様々なベンチマークを回した結果が掲載されています。結論から言うと、Core i 9-11900KとRyzen 7 5700GはES品とはいえ少々期待外れかもしれません。
Intel第11世代CPU『Rocket Lake-S』の最新情報
『Zen3』Ryzenの最新情報はこちらへ
今春登場するIntel Core i9-11900KとAMD Ryzen 7 5700Gを一足先にテスト
Core i9-11900KはIntelがCES 2021で発表した第11世代デスクトップ向けCoreシリーズ通称『Rocket Lake-S』の中の最上位モデルとなっています。この『Rocket Lake-S』では5年ぶりのアーキテクチャー刷新やIntel製デスクトップ向けCPUとして初めてPCIe Gen4.0に対応するなど最新のCPUとなっています。
一方、AMD Ryzen 7 5700GもCES 2021にて発表され、Ryzenのモバイル向けAPUである『Cezanne』をデスクトップ向けに構成を少し変更されたモデルとなっています。
両モデル共にまだ発売されておらず予定では今春に登場すると見られていますが、Bilibiliのユーザーが両モデルのES品を入手し、既に発売中のRyzen 7 5800Xを含めてベンチマークやゲームでの実テストなどの結果を掲載しています。
ベンチマーク系はCore i9-11900Kが圧勝(5.2GHzにOCしてるけど)
ベンチマークの構成では、Core i9-11900Kは全コアが5.2GHzにOC、Ryzen 7 5800XとRyzen 7 5700GはPBOを有効にしてテストされています。なお、Core i9-11900Kはベースクロックは3.5GHz、1コア利用時のブースト最大が5.2GHz、全コア利用時は4.8GHzとなっています。ちなみに、Ryzen 7 5800XはPBO有効時は1コア利用時が4.8GHz、全コアは4.5GHz程度であり、今回のテストではCore i9-11900Kに有利な設定かもしれません。
5.2GHzのOCが有利に働いたのか、すべてのテストでCore i9-11900KがRyzen 7 5800XとRyzen 7 5700Gに対して10%近く上回るスコアを記録しています。また、Ryzen 7 5700Gはモバイル向けCezanneベースでキャッシュがRyzen 7 5800Xに対して半分程度など不利な点も多くスコアが伸び悩んでいます。(比較対象が強豪ばかりで、絶対的なスコアとしては高いですが)
実ゲームでのパフォーマンスは何故か低い
純粋なベンチマークでは非常に高いスコアを記録したCore i9-11900Kですが、興味深いのはゲームを使った比較での記録です。ここでは、7つのゲームを使ってテストされており、CPUがボトルネックとなるように1080pでのプレイとなります。
ここでは、先ほどまでのベンチマーク系で有利だったCore i9-11900KはRyzen 7 5800Xと同等が下回るスコアを記録しています。Ryzen 7 5700GはCore i9-11900KやRyzen 7 5800Xと肩を並べる性能とは言えませんが、これも比較対象が高性能なだけで絶対的な性能としては高い方と言えます。
今回、Core i9-11900KとRyzen 7 5700Gは試作段階に当たるES品を使ってテストがされています。そのため、実際に製品が発売される際には最適化が進みここで示したよりは高いスコアが記録されると考えられますが、大きく変動はしないはずです。
Core i9-11900Kは前回も同じ様な記録が出ており、その時はCore i9-10900Kにも負けてる部分がありました。
Core i9-11900Kをゲームなどで実テストした結果が出現。i9-10900Kに劣る事も
Intelは前々からゲーミングにおいてはシングルコア性能が大切と謳ってきた気がするのですが、今回なぜこのような結果になってしまっているのか少々謎です。実際にCore i9-11900Kが発売するまでに改善できる点は限られていますが、少しでも改善してくれる事を願います。
コメント