9月に発売されたRTX 3080、そして10月29日に発売されるRTX 3070ですが、12月にそれぞれVRAM容量が倍増されたモデルが発売される予定でした。しかし、品薄問題からかその発売自体が中止される事になりました。
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20GB版 RTX 3080、16GB版 RTX 3070は発売中止
RTX 3080が発売された9月中旬頃、VRAM容量が倍増されたRTX 3080とRTX 3070がRadeon RX 6000シリーズの登場後に、対抗策として投入が予定されているという情報が入っていました。NVIDIAがこのような行動を取る理由としては、Radeon RX 6000シリーズでは、VRAM容量が12GB~16GBを搭載される予定であり、RTX 3080の10GB、RTX 3070の8GBでは大きく劣って見えるためです。
しかし、発売当時から発生している慢性的な品薄問題からVRAM容量倍増版の発売は中止か延期される可能性が高いとの事です。
まずは在庫不足解消に集中
NVIDIAのCEOによると、RTX 3000シリーズの品薄問題は2020年中は続くと表明しています。実際に、発売から1か月経過したRTX 3080でさえ予約した人の8割以上の人が入手できていない状況のため、NVIDIAとしてはラインアップを充実させるより先に品薄を解消する必要があると判断したと見られています。
GDDR6Xとサムスン8nmプロセスのダブルパンチ
RTX 3080やRTX 3090では、高速なGDDR6Xを採用しています。このGDDR6Xですが、製造しているメーカーはMicron一社だけです。また、GDDR6Xを採用しているメーカーもNVIDIA一社である事から、製造ラインを増やす事も出来ず供給数が限られるという事態になっているようです。一方で、RTX 3070に関しては普及しているGDDR6を採用している事からRTX 3080やRTX 3090ほど影響を受けないと考えられていましたが、そもそもの話RTX 3000シリーズが製造されているサムスンの8nmプロセスに問題が生じている可能性が最近出てきています。
実際に、10月29日発売予定のRTX 3070はGDDR6を採用しているものの、発売一週間前にも関わらず海外通販サイトでは発注数に対して7%以下の在庫しか届かない見込みとなっておりGDDR6だけが問題とは言えない展開になりつつまります。
RTX 3070も品薄傾向は続く。ドイツでは需要に対して7%以下の入荷数 – ギャズログ GAZ:Log
また、サムスンの8nmプロセスに問題がある事を示唆する内容として、NVIDIAがTSMC 7nm製造のための契約を結んだと報じられたこともあり、RTX 3000シリーズではしばらく品薄問題が続く可能性は高いと考えられます。
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NVIDIAのRTX 3000シリーズは発売から1か月経った今でも入手困難な状態が続いています。そんな中で、10月29日にはRTX 3000シリーズの中で最も売れるであろう、RTX 3070の発売、そして12月には更に売れ筋であるRTX 3060 Tiが発売される予定となっています。その一方で、RTX 3070は発売前にもかかわらず生産数が非常に限られているという話が様々な所から湧き出ている事からNVIDIAとしてもメモリーの容量を変えた商品を出す余裕は無いのは容易に想像できます。
NVIDIAとしてはアメリカで最もガジェット系が売れるBlack Friday、そして世界的に売れる年末そして年始まで品薄傾向が続けば当たり前ですが会社の利益に大きな影響が出ます。そのためリリースするラインアップを選択し少しでも在庫量を積み増せるように対策をしているのだと思われます。
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