AMDではCPUにZen 3+アーキテクチャー、内蔵GPUにRDNA2アーキテクチャーを搭載したRyzen 6000シリーズをCES2022にて発表し、数日前にこれらAPUを搭載した製品レビューなどを解禁しましたが、内蔵GPUの性能が非常に高いようです。
Zen 3+とRDNA2を内蔵するAPU、Ryzen 6000シリーズ
AMDではCES2022にてCPUにZen 3+、内蔵GPUにRDNA2アーキテクチャーを採用したRyzen 6000シリーズを発表しました。
このRyzen 6000シリーズはCPU、GPU共にTSMC 6nmで製造され、CPU自体はRyzen 5000シリーズで採用されているZen 3の改良版であるZen 3+であり主に電力効率の向上などをメインに改良が加えられています。
内蔵GPUについては従来まで採用されていたVegaアーキテクチャーから現行のRadeon RX 6000シリーズなどで採用されている最新のGPUアーキテクチャー、RDNA2が採用されVegaと比較して性能は2倍程になると見られています。
CPU内蔵GPUとしては非常に高いパフォーマンスが期待されているRyzen 6000シリーズですが、TDP 28W帯のRyzen 6800Uを搭載したラップトップのレビューが解禁され内蔵GPUの性能が明らかになっています。
Ryzen 9 6900HSの内蔵GPUではCyberpunk 2077も30fps越えで動作可能
AMDではRyzen 6000シリーズのゲーミング時のパフォーマンスについてはディスクリートGPUであるNVIDIAのGeForce GTX 1650 Max-Qに対して大きくは劣らないパフォーマンスを発揮すると公式資料では説明が行われていますが、Ryzen 9 6900HSを搭載するAsus ROG Zephyrus G14を用いて内蔵GPUのベンチマークが様々なレビューサイトで取られています。
Radeon #680M RDNA2 iGPU (Ryzen 9 #6900HS) running #Cyberpunk2077 1.5’s integrated benchmark (FHD, Quick Preset Low, Textures Low, NO FSR). pic.twitter.com/4OGFL5V8mI
— ComputerBase (@ComputerBase) February 19, 2022
ドイツのPC系サイトであるComputer Baseではユーザーやサイト管理者から投稿されたゲームのベンチマーク結果がまとめられていますが、この中でCyberpunk 2077の結果が掲載されています。
ベンチマークの設定としては1080pで画質設定はLowになっていますが、フレームレートはFSRなど無い素の状態で平均44.1fpsを記録しており、最小でも26.92fpsと快適とは言えないもののプレイが可能なレベルのパフォーマンスを記録しています。
Ryzen 6000 Blew Me Away – YouTube
Linus Tech TipsではForza Horizon 5のベンチマークが取られており、比較対象としてはIntel Core i9-12900HKに内蔵されているIris Xe(96EU)が挙げられています。設定としてはこちらも1080pで画質設定はLowですが、結果としてはRyzen 9 6900HSが平均85fpsと言う記録を出しており、Core i9-12900HKに対して1.8倍近いパフォーマンスを記録しています。
Asus ROG Zephyrus G14 Unboxing & Benchmarks w/ 6900HS & 6800S – YouTube
3D Mark Time Spyを用いたベンチマーク結果も、PCWorldが掲載しています。こちらもRyzen 9 6900HSは内蔵GPUの中では一段上のスコアを記録しており、Core i9-12900HKなどIris Xe 96EUに対しては30%以上のスコアになっています。一方でディスクリートGPUと比較するとNVIDIA GeForce GTX 1650 Max-Qに対しては30%ほど劣後している状況となっているため、ディスクリートGPUとの差はまだまだあるようです。
TSMC 3nmの開発難航中。AMD Ryzen Zen 5、RDNA 4は4nmプロセスに変更?
Ryzen 6000シリーズの内蔵GPUのパフォーマンスについてはディスクリートGPUと同等までは行きませんが、それでも近いレベルになっているのでこれぐらいのパフォーマンスとなっています。
GTX 1650 Max-Qに対して30%劣る性能であればVALORANTやApex LegendsなどeSportsタイトルであれば中画質設定で60fps以上は余裕で行けると思いますので、薄型ラップトップでFPSをプレイしたいという方はRyzen 6000シリーズを搭載するラップトップを今後検討すると良いかもしれません。