AMDでは2020年夏頃にデスクトップ向けのエントリーモデルとしてAthlon 3000シリーズを投入していますが、この最新モデルであるAthlon 4000シリーズがまもなくデスクトップ版に投入されるようで、そのベンチマークが出現しています。
エントリーモデルのAthlon Gold Pro 4150のベンチマーク出現
AMDではRyzen 5000シリーズではエントリーモデルの投入はしておらず、2020年夏頃に発売されたAthlon 3000シリーズ以降、新製品の投入は行われていません。
一方で、ライバルのIntelではAlder Lake-S世代に進化したエントリーモデルのPentiumやCeleronを投入し、高いパフォーマンスを発揮していますが、AMDではこの動きに対抗してエントリーモデルであるAthlonの新モデル、Athlon 4000シリーズを投入を間もなく行うようで、そのベンチマークが出現しています。
GeekbenchではAlder Lake-S世代のPentiumを18%上回り、Core i7-6700並みの性能を発揮
Gigabyte Technology Co., Ltd. B450M DS3H – Geekbench Browser
出現したGeekbench5のベンチマークはGigabyteのB450マザーボードで行われており、メモリーはDDR4 8GB、OSはWindows 10と言う組み合わせで行われています。
このAthlon Gold Pro 4150GEの仕様としては、4コア4スレッド構成で動作クロックはベースが3.30 GHz、ブーストが3.8 GHzとなっています。CPUのアーキテクチャーとしてはRenoirと記載がされているため、モバイル向けZen2アーキテクチャーをデスクトップ向けに転用したモデルになっています。そのため、内蔵GPUも搭載しているAPUとなっています。L3キャッシュは4MBで小さめとなっています。TDPとしてはGEバリアントであるため、35W程度と見られています。
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ベンチマークのスコアとしては、シングルコアが1098pt、マルチコアが3728ptとなっています。マルチコアのスコアが近いCPUとしては2015年に発売されたIntel Core i7-6700のマルチコア3746ptに近く、性能面では同等レベルと言えそうです。また、エントリーモデルとしては性能が高いと話題になっているAlder Lake世代のPentium Gold G7400ではマルチコアが3164ptを記録しているため、Athlon Gold Pro 4150GEの方が18%ほど高い性能を発揮しています。
Athlon Gold Pro 4150GEはTDPが35Wに抑えられた省エネモデルとなっていますが、TDP65WのGモデルに関してはこれよりも高いスコアが期待できるため、エントリーモデルでCPUアーキテクチャーは旧世代であるZen2ではあるものの、ウェブブラウジングや軽いゲームぐらいであれば全然対応が出来るレベルのCPUになっています。
肝心な価格については、Athlon Gold Pro 4150GEはOEM向け製品のため、コンシューマー向けには発売されないものと見られています。ただ、OEM向け製品の多くはどういう経緯かAliexpressやヤフオク、Ebayなどには出回っています。現時点ではAthlon Gold Pro 4150GEの販売価格は118ドルほど、日本円で約14000円という事でCore i3-12100の17480円に近く、コストパフォーマンスはあまり高くありません。
ただ、もし今後公式に発売されるとすれば現行のAthlonと同じ1万円前半での販売となると考えられるため、コストパフォーマンスに関してかなりのポテンシャルは秘めてそうです。
AMDはZen2 CPU搭載モデルをエントリー向けに改めて発売予定の模様
21年12月頃、AMDがエントリー向けにモバイル向けZen2アーキテクチャーであるRenoirをデスクトップ向けに転用したRyzen 4000Gの内蔵GPUを無効化してIntel Core i3-12100などに対抗するモデルを準備中と言うリークが出ています。このモデルの事をRenoir-Xと読んでおり、Zen 3アーキテクチャーがコンシューマー向け製品では採用されていないRyzen 3シリーズとして投入を予定しているようです。
今回、ベンチマークに出現したRenoir搭載のAthlonは内蔵GPUは搭載されているため、Renoir-Xでは無いとは見られていますが、AMDとしてはZen2アーキテクチャー搭載CPUはまだまだ戦えるCPUのようで、Athlon Gold Pro 4150GEはOEM向けだけですが、PentiumやCeleron、そしてCore i3-12100に対抗する事を目的に、コンシューマー向けにもAthlon Gold 4000シリーズとして投入が行われる可能性はありそうです。
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IntelがPentiumやCeleronの性能を大きく向上させたことから、AMDも黙っては居られなくなったようでAthlonを4コア化し、これに伴い性能も大きく向上を果たしています。性能面ではCore i7-6700相当という事でウェブブラウジングやエクセルなどの作業はもちろんの事、1080p程度の動画編集やゲームなどには十分耐えうる性能と言えそうです。
唯一、残念な所はOEM向けである事ですがIntelがCeleronやPentium、Core i3などエントリーモデルを投入している事からAMDとしてもコンシューマー向けにエントリーモデルをラインアップに追加する可能性は高いと言えます。そのため、このAthlon Gold Pro 4150GEに近い仕様のCPUは近い内に発売が行われると考えられます。
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