NVIDIA Hopper GH100のダイサイズは1000mm2。MCM不採用で名称変更の可能性

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NVIDIAでは2022年にサーバーやデータセンター向けGPUアーキテクチャとして『Hopper』を投入する予定ですが、その中の最上位モデルGH100ではダイサイズが過去最大サイズとなる1000mm2付近になるとのことです。また、採用が噂されていたMCMは不採用となる他、Hopperという名称も不採用となる可能性が出ています。

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データセンター向けGPUとなる予定のHopper (GH10X) GPU

NVIDIA GH100 Hopper Flagship GPU To Measure About 1000mm2 Making It The Largest GPU Ever Made (wccftech.com)

HopperはNVIDIAが2022年3月のGTC2022にて発表が予定されているデーターセンター向けGPUアーキテクチャーで、TSMC 5nmプロセスが採用されると見られています。

また、過去数年以内に登場してきたNVIDIA製GPUとは異なり、コンシューマー向けとデーターセンター向けで異なるアーキテクチャーのGPUが投入される事が予定されています。コンシューマー向けにはAda Lovelaceと呼ばれるGPU、データセンター向けにはHopperになると見られています。

現時点ではHopperに関する情報はAda Lovelaceに比べて少ないですが、今回確度の高いリーク情報を提供しているKopite7kimi氏とGreymon55氏がこのHopperの最上位モデルであるGH100に関する情報をリークしています。

Hopper GH100のダイサイズは1000m2に近い模様。HBM除いても巨大化

Kopite7kimi氏によると、Hopperの最上位モデルとなるGPU、GH100 GPUではダイサイズが1000mm2に近い大きさになるとのことです。

Hopperの具体的なアーキテクチャーは不明ですが、仮に現行のAmpereと同じ様な構成であると仮定するとGH100はCUDAコアは18432コアで、現行のGA100の8192コアやGeForce RTX 3090などで採用されているGA102の10752コアに比べると大幅に増えると見られています。

ただ、CUDAコアの大幅増加に伴いダイサイズはAmpereのデータセンター向けGPUであるGA100 GPUではダイサイズは826mm2を大きく上回るサイズになると見られています。

ただ、注意点としてkopite7kimi氏は実際のダイサイズに関してはGA100より巨大なものの、1000mm2よりはかなり小さくなると述べています。

GA100でも同様ですが、データセンター向けGPUではGPUダイを囲い込むようにHBMが複数モジュール搭載されています。

そのため、すべてを合わせたダイサイズとしては異様に大きくなりますが、実際のGPUダイはHBMモジュールを省いた大きさになるため、2~3割ほど小さくなると見られています。ただ、CUDAコアの増加など性能強化が行われているため、kopite7kimi氏はそれでもGPUダイの大きさはGA100よりは巨大化するという事ですので巨大なGPUを搭載しているという事には変わりないようです。

GH100ではMCMは非採用になる見込み。GH102はMCM採用。

NVIDIA Hopperに関してはAMDのRyzen CPUやInstinct MI200のように複数のダイを搭載して1つのGPU(CPU)として動作するMulti-Chip Moduleになると見られていましたが、どうやら最新の情報ではMCMは採用されず、現行世代のGPUと同じくモノリシックダイになるようです。

一方で、ダイサイズやCUDAコアなど一部スペックが落とされたGH102についてはMCMが採用される見込みのようです。GH100については、TDPが1000Wに達すると見られているため、MCM化をした場合電源回路や冷却面でも高いコストが見込まれます。そのため、TDPなどを抑えたGPUをMCM化してコストパフォーマンスを維持したままGH100以上の性能を実現すると見られています。

商標権を巡り裁判勃発中。発表延期や『Hopper』という名称変更になる可能性も

Nvidia Is Fighting Dish Network Over Next-Gen Hopper GPU Trademark | Tom’s Hardware

NVIDIAではGPUアーキテクチャーの名称は有名な物理学者や数学者、科学者から取っています。例えばRTX 3000シリーズのアーキテクチャー名でもある『Ampere』は物理学者、数学者、電磁学者の創始者であるアンドレ=マリ・アンペール氏から取られています。

そんな、NVIDIAはアメリカ海軍准将かつ計算機科学者のグレース・ブリュースター・マレー・ホッパー氏から『Hopper』と言うアーキテクチャー名を付けていますが、この『Hopper』と言う名称がアメリカの衛星放送局であるDishネットワークの商標と被るとして裁判が行われているようです。

裁判については2021年4月から行われているようで、Dishネットワークとしては『Hopper』と言う名称を利用される事で、消費者に混乱を招くことからNVIDIAに対してHopperと言う名称の使用を止めるように言っているようです。一方で、NVIDIAとしてはGPUやコンピューターパーツ、クラウドコンピューティングサービスなどで分野が違うと反論をしているようです。

両社は和解へ向けた交渉も裁判と並行して行っているようで、2021年4月の裁判開始から既に5回目の裁判中断が行われているようです。ただ、裁判は2月22日に再開される見込みで、このまま和解に至らなければNVIDIAは2022年3月に開催される予定のGTC2022にてHopperアーキテクチャーの発表を行えない可能性が出てきています。NVIDIAのHopperを間もなく発表したいという事情を考えると、Dishネットワーク社はNVIDIAの足元を見てかなり高額な金銭の要求も考えられますが、裁判の行方次第ではHopperの発表延期やそもそも名称自体が変更される可能性は出ています。

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GH100についてはHBMなどが含まれているとはいえ1000mm2に迫るダイサイズになる見込みですが、TDP1000W付近であったりと色々の桁違いのGPUである事は間違いないです。

GH100についてはテープアウトも去年の夏頃に行われている事から開発も順調のようですが、商標権を巡り裁判が起こってしまうなど想定外の所で躓いてしまったようです。もしHopperと言う名称が使えないとなると、コンシューマー向けに投入予定のAda Lovelaceの名称を使うか、他の科学者の名前を使うかなどの対策に迫られますが、GTC2022でどういう名称で発表されるのか気になりますね。。。

 

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この記事を書いた人

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
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