EVGA製 GeForce RTX 3080 TiでLHRをほぼ無効化するvBIOSが公式に登場

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NVIDIAのGeForce RTX 3080 Tiでは発売当初からEthereumマイニングを検知すると性能を自動的に落とす『Lite Hash Rate』機能が搭載されていますが、EVGAが最近公開したGeForce RTX 3080 Ti用のvBIOSアップデートを適用するとマイニング性能が最大20%以上向上するようです。

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EVGA製 RTX 3080 TiでvBIOSアップデート後マイニング性能が向上

EVGA GPU Firmware Boosts GeForce RTX 3080 Ti Crypto Mining Performance By Up To 21% (wccftech.com)

NVIDIAではEthereumのマイニング性能が比較的高い、すべてのGeForce RTX 3000シリーズにてEthereumマイニングを検知するとマイニング性能を半分程度にカットするLite Hash Rate(LHR)と呼ばれるモデルを2021年6月から投入をしており、今では発売されているGeForce RTX 3000シリーズのすべてがこのLHRモデルとなっており、マイニング性能は大きく低下しています。しかし、最近EVGAが公開したvBIOSを適用すると、LHRが適用された状態から20%以上もマイニング性能が向上する事が海外のRedditで発見され、一部で話題になっているようです。

マイニング制限用に隠しPower Limitが搭載。発覚して最新vBIOSから削除される

NVIDIAのGeForce RTX 3080 TiについてはLHRが搭載されており、発売された当初はLHR発動前は100MH/s程度であるものの、数分経過するとLHRが発動され、50MH/s程度に性能が制限される状態となっていました。

ただ、最近はマイニングソフト側がLHRが発動するギリギリを狙うなど細工が施されてLHRモデルを買っていても70MH/s程度の性能が発揮されるモデルもあったようです。しかし、これ以上のハッシュレートを叩き出す事はTDPを大きく上げるなどマイニング効率を著しく損なう設定を行う必要がありました。

EVGA 3080 Ti XC3 Hidden Power Limit : gpumining (reddit.com)

そんなRTX 3080 Tiについて、RedditのマイニングコミュニティーにてEVGA製グラフィックスカードである細工が施されている事が判明します。

それが、vBIOS上に組み込まれている隠しPower Limit機能で、マイニングや超高解像度での3Dレンダリングなど行い、VRAMに過大なアクセスが行われると隠しPower Limitが起動し、動作クロックが大きく引き下げられマイニング性能やグラフィックス性能が落とされるというものです。

3080 Ti XC3 Ultra Hydro Copper, low power consumption, hidden power cap? – EVGA Forums

この隠しPower Limitについて当初はマイナーでは無く、オーバークロッカーやベンチマークスコアを追求するユーザーによってこの隠し機能の存在が疑われていましたが、掲示板上で様々な検証が行われた結果、存在が確実なものとなり、クレームがEVGA側に寄せられたようです。

その結果、EVGAは最新版のvBIOSにて、VRAMに過大なアクセスが行われるとPower Limitを掛ける機能を削除したようです。

ゲーミング性能を上げようとした結果、マイニング性能も大幅向上

EVGAが公開した最新版のvBIOSにて隠しPower Limit機能は削除されました。これによって、3DMarkなどベンチマークスコアは伸びるなどしましたが、同時にマイニング性能も大幅に向上しました。

RTX 3080 TI HASHRATE FIX – YouTube

YoutubeではEVGA製RTX 3080 Tiに最新vBIOSを適用してマイニングを行う動画も既に掲載されており、vBIOS適用前は平均77MH/sほどのマイニング性能でしたが、最新vBIOSを適用後は90MH/s超えの性能が発揮されるようになったとの事で、15%から20%程度マイニング性能が向上するとの事です。また、マイニング効率も330KH/WとLHRモデルの割には高い効率を発揮しています。

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今回紹介したEVGA製RTX 3080 Tiでは最新のvBIOS適用で90MH/sと言うとLHRが搭載される前のRTX 3080に近い性能を発揮できており、消費電力を加味しても月に1万円以上の収益を出せる状態となっています。このようなvBIOSが他のメーカーのグラフィックスカードにも展開されているのかなど詳細は不明ですが、少なくともEVGA製のRTX 3080 Tiについては、一部のマイナーの餌食になってしまう可能性がありそうです。

特にグラフィックスカードの場合ETH2.0が導入されるなど、マイニングが出来なくなっても高値で売却が可能なためある程度利益が出せる点もマイナーをおびき寄せるエサになってしまいそうですね。

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この記事を書いた人

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
幼い頃から自作PCなどに触れる機会があり、現在は趣味の1つに。
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