DDR5メモリーの品薄は2022年中頃までは続く可能性。PMICが原因の模様

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2021年11月4日から発売されたIntelのAlder Lake-Sではコンシューマー向け製品として初めてDDR5がメインメモリーとして採用されていますが、このDDR5から搭載がされているPMICと言うチップが原因でDDR5が品薄状態に陥っており影響は2022年中頃まで続く可能性があるようです。

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DDR5から搭載された電力管理チップ『PMIC』

DDR5 Memory Are Out of Stock Everywhere Due To Shortage of PMIC Chips (wccftech.com)

DDR5では従来までのDDR4には搭載されていなかったPMICと呼ばれる電力管理チップが搭載されています。

DDR4までは電源から供給される5V電源をマザーボードでメモリー用の電圧に降圧されていました。しかし、DDR5からは電源から直接メモリーに5Vのまま供給され、PMICと呼ばれるチップを介して降圧をした後、各メモリーモジュールに必要な電圧を供給するという仕組みに改められています。

この変更により、DDR5ではきめ細かな電圧管理が行えるため、メモリーの消費電力低減や高クロックでの動作でも優れた安定性を実現できています。

しかし、このPMICですが、昨今の半導体製品不足の影響でPMICが不足しており、DDR5メモリーの供給全体に悪影響が及んでいるようです。

PMICが原因で品薄に。部品価格もDDR5用電源チップのみ10倍超えに

DDR5は11月に発売されたIntelのAlder Lake-S CPUに搭載が可能なメモリーとして同時期に発売が開始されていますが、世界中でDDR5メモリーが品薄状態となっているようです。日本でも、DDR5がほとんど手に入らず、Alder Lake-Sに立ちふさがる番人とパソコンショップ店員談が語られるほどです。

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そんな、DDR5についてICチップ関連製品を扱う12 ChipはDDR5などを供給するメーカーから情報を入手したようです。

Currently, there is a shortage of DDR5 sticks in the market, and sources from Boardchannels say that the main reason for the shortage is that the DDR5 memory is equipped with a power management chip PMIC, which is currently in very short supply.

Sources said that the PMIC chip is currently in very short supply, while the purchase price of the PMIC chip to be used in DDR5 memory is 10 times more expensive than the corresponding chip in D4, and the procurement cycle is at least 35 weeks.

via 12Chip

日本語訳

現在、DDR5は市場から不足しておりOEMなどのインサイダー情報を扱うソースからの情報によると、主な理由はDDR5から搭載が行われている電源管理チップ『PMIC』の供給不足であるとの事。

ソースによると、PMICの供給不足もさることながら、調達価格も高騰しておりDDR5用のPMICチップは他の電源系のチップに対して10倍以上の価格が付けられているとの事です。また、調達にかかる時間も伸びており、現在の納期は最低でも35週間は必要との事です。

DDR5の製造にはPMICが必須となっていますが、この部品の供給が絞られる事でDDR5製造へのボトルネックとなってしまっているようです。また、PMICの価格も10倍以上に膨れ上がっているとの事ですので、例えDDR5の販売が行われているとしても、恐らく発売当初の値段から下がる事は無く、最悪の場合値上げが行われる可能性があります。

また、このPMIC調達に関するリードタイムも懸念事項です。35週間と言うと約8か月という事で、PMICの供給が安定し、そこからDDR5本体の製造や店頭配送そして最終消費者の手に渡るまでは少なめに見積もっても9か月、遅いと10か月以上という事で2022年後半までDDR5の供給不足にAlder Lake購入を検討しているユーザーは苦しむことになるかもしれません。

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Alder Lake-Sの発売の際にも、DDR5メモリーはマザーボードとのセット購入のみで販売など供給不足を察するような販売形態が行われていましたが、どうやら今後もこの状態は続くようです。2022年初旬にはAlder Lakeの普及帯モデルが発売されるため、IntelとしてはAMDに対して大きな差をパフォーマンス面で開けている事からここで多くのシェアを取ってしまいたいところですが、DDR5の供給不足が思わぬ障害となってしまいそうです。

もちろん、Alder LakeではDDR4にも対応は可能となっていますが、最新のプロセッサを購入する層はパフォーマンスや購入するパーツの拡張性や汎用性を重視する人も多いと思われるため、今後主流になるDDR5が手に入るまでAlder Lakeは買い控えるユーザーなども一定層は居そうで影響が心配されるところです。

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この記事を書いた人

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
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