2021年11月4日から発売が開始されると言われているAlder Lake-S CPU、その最上位モデルであるCore i9-12900KのCinebenchR20およびCPU-Zのベンチマークスコア、そしてAIDA64のストレステスト時の温度や消費電力などが出現しました。
Core i9-12900Kのベンチマーク出現
Alder Lake-Sについては2021年11月4日の発売が予定されており、既に最終サンプル品がレビュアーの手元に届き始めていると見られています。
そんな、Alder Lake-Sの最上位モデルであるCore i9-12900KのCinebenchR20およびCPU-ZのベンチマークやAIDA64でのストレステスト時のCPU温度などの情報が出現しました。
情報元は中国のSNSのBilibili上となっており、ベンチマークの構成はDDR4 3600MHzのメモリーを搭載したWindows 11 PCで実施されており、CPUの設定としてはIntel Thermal Velocity Boostは無効状態で計測されているとの事です。
enthusiastic citizens stroke strange dynamics – beeps (bilibili.com)
CPUモデル | P-Core | E-Core | 合計 コア / スレッド数 | P-Core ベース / ブースト(最大) | P-Core ブースト(全コア) | E-Core ベース / ブースト | E-Core ブースト(全コア) | L3キャッシュ | TDP |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Intel Core i9-12900K | 8 | 8 | 16 / 24 | TBC / 5.3 GHz | 5.0 GHz | TBC / 3.9 GHz | 3.7 GHz | 30 MB | 125W (PL1)~250W? (PL2) |
Intel Core i7-12700K | 8 | 4 | 12 / 20 | TBC / 5.0 GHz | 4.7 GHz | TBC / 3.8 GHz | 3.6 GHz | 25 MB | 125W (PL1)~250W? (PL2) |
Intel Core i5-12600K | 6 | 4 | 10 / 16 | TBC / 4.9 GHz | 4.5 GHz | TBC / 3.6 GHz | 3.4 GHz | 20 MB | 125W (PL1)~250W? (PL2) |
Cinebench R20ではシングルでRyzen 9 5950Xを圧倒、一方でマルチコアは同等
まず初めに、Cinebench R20のシングルコアとマルチコアベンチマークについて。
Core i9-12900Kのシングルコアスコアは768ptを記録しています。前世代にあたるCore i9-11900Kでは642ptで約19%、ライバルにあたるRyzen 9 5950Xでは650ptであった事からCore i9-12900Kが約18%上回る結果となっています。
マルチコアスコアでは、10545ptが記録されており、前世代のCore i9-11900Kでは6390ptであった事から約65%の性能向上が見られます。一方で、Ryzen 9 5950Xは同テストでは10480ptを記録しており、Core i9-12900Kとの差は0.6%と計測誤差の範囲の差しかありません。
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CPU-ZではマルチコアはRyzen 9 5950Xを下回る
ベンチマークはCinebenchR20の他に、CPU-Zのスコアも掲載されています。CPU-Zのベンチマーク結果については過去にシングルコアスコアについては既に情報が出現していますが、マルチコアでの結果が出現するのは初めてです。
Core i9-12900KのCPU-Zベンチマーク出現。これもRyzen 9 5950X超えに
シングルコアの結果はCore i9-12900Kは828ptを記録しています。前世代のCore i9-11900Kでは682ptであった事から、約21%の性能向上が見られます。また、Ryzen 9 5950Xでは648ptと公式の記録では記載されており、Core i9-12900Kの方が約28%上回る結果となっています。
マルチコアでの結果は今回初登場ですが、Core i9-12900Kは11456ptを記録しています。この結果は前世代のCore i9-11900Kの6563ptと比べると約75%の向上を果していますが、ライバルであるRyzen 9 5950Xの公式記録は11856ptとなっておりCore i9-12900Kの方が3%ほど低い結果が出ています。
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AIDA64ストレステストでは257Wを記録。温度は108度に・・・
Bilibili上にはCinebenchとCPU-Zのベンチマークの他に、AIDA64のFPUストレステストの様子もスクリーンショットで掲載されています。具体的にどのようなCPUクーラーを搭載しているかは不明ですが、ストレステストを開始して48秒後にはCPUは108度を記録しています。また、CPUの消費電力は257.09Wを記録しています。
過去にCore i9-12900Kについてはフルロード時の消費電力や発熱が非常に大きい事がLenovoのゲーミングデスクトップ商品企画マネージャーのアカウントから情報が出現していますが、その通りの結果となっています。
Alder Lake-Sは熱い。フルロードでは平均248Wの消費電力
Core i9-11900KやCore i5-11600Kの定格動作でAIDA64 FPUテストを行ったところ平均213~216Wを記録しており、Core i9-12900Kでは40W程度高い消費電力となっています。また、Ryzen 9 5950XではPBO動作かつCinebenchなど最大負荷がかかる場面でも250Wは超えないため、Core i9-12900Kでは最大性能を発揮する場面では他のCPUと比べると高い消費電力と発熱となりそうです。
ちなみに、定格動作では無く、Thermal Velocity Boostが有効な状態ではCore i9-11900Kは353Wを記録しているため、Core i9-12900KもThermal Velocity Boostを有効にすれば350Wを上回る消費電力が記録されると考えられます。
PCI Express Gen5用電源コネクターが出現。RTX 3090 Tiに搭載か
今回出現したベンチマークではDDR4メモリーを積んだ構成となっていますが、一方でOSはWindows 11で実施されておりAlder Lake-Sが最も性能を発揮しやすい条件となっています。シングルコアは何度もベンチマークで出現している通り高い性能でしたが、マルチコア性能については少々物足りない印象です。
Ryzen 9 5950Xは1年前に登場したCPUですので、個人的には5~10%程度は上回って欲しかったところです。DDR5構成にすればもう少しスコアは伸びそうですが、このぐらいの差であれば3D V-Cacheを搭載したRyzenやより高クロックで動作するRyzen 9 5950XTが出現したら越されてしまうのではないかと考えられます・・・
あと気になっていた消費電力ですがIntelの悪い癖は健在で消費電力は高く、爆熱のようです。まだ発売前の段階で評価を下すには早いですがかなり心配になります。
コメント
コメント一覧 (7件)
24スレッドCPUで32スレッドCPUにほぼ追い付けただけでも、上出来だと思います。
製造プロセスもTSMCに比べればワッパでは未だ不利でしょうし・・・。
あまり多くのコアを使えないソフトに対しては強く出られるのかな…
個人的にはゲーム性能で勝ってくれたら満足。
>Ryzen 9 5950XではPBOを有効にしても200Wを超えないため
これ間違いです。PBO有効だと234wまで行きます。
ご指摘ありがとうございます。
AIDA64 FPUでは200W以下でしたが、Cinebench R23だと235Wまで行きました。
記事の内容を修正させていただきます。
intelは全コアブーストでstressFPUをを動かすことを想定していないんだけどなw
全コアブースト周波数は高クロックで回っていてもそれほど高い付加にならないゲームなどを想定しているわけで、実際にはTDPやTJなどで制限された状況で動かすはずです
そもそもPL2は228Wになっているはずだが、なぜ257Wになる?それも時間制限があるはずですが?
リークするような人間にリテラシーを求めても無駄でしょうが
大型の空冷システムでストレステストをしても開始48秒で108℃
ミドルエンド以上の本格水冷システムを用いると90℃以下での運用が可能と言及されてますんで、もはや本格水冷前提のCPUとして扱った方が無難ですね
このクラスのCPUを購入する層はGPUもハイエンドでしょうから、ケース内の温度を考えると空冷での運用は厳しいでしょうね
爆熱になるのが必死のMaxブーストで叩かれてるけど、別にTDP動作でも5950Xに近い程度のスコアが出ると思われますけどね
これなら別に爆熱でもないし、シングスココアならRyzenは圧倒するし、発売されたら評価されるんじゃないですか