Radeon RX 9060 XTのGDDR6ガチャに対してXFXが比較データを公表
AMDのRDNA 4アーキテクチャーを搭載するRadeon RX 9000シリーズのVRAMには、サムスン製とSK Hynix製のGDDR6メモリが混在していると言われています。一般的に、コンポーネントを複数のサプライヤーから調達することは、コスト削減や供給の安定化に繋がる一方で、性能に微妙な差異が生じるケースがあります。
サムスン製GDDR6搭載 Radeon RX 9070 XT はSK Hynix製より性能が3%劣ることが判明 | GAZLOG
この問題はRadeon RX 9000シリーズでも確認されており、海外レビュアーによる大規模な検証では、Radeon RX 9070 XTに搭載されたサムスン製GDDR6が、SK Hynix製に比べて最大で約3%性能が劣るという結果が報告されていました。
しかし、この検証に対し、AIBパートナーであるXFXが「一概にサムスン製が劣るとは言えない」ことを示す比較結果を、同社のBilibili公式チャンネルで公開しました。
サムスン製はVRAM温度は10℃、消費電力は24Wも低く動作

XFX製のRadeon RX 9060 XTは、多くがSK Hynix製のGDDR6を採用していましたが、最近発売された「V3」リビジョンからはサムスン製GDDR6へと変更されています。
XFXによると、この変更によってグラフィックスカード全体の消費電力が低減。高負荷なベンチマークソフト「Furmark」の実行時において、最大消費電力は207Wから183Wに低下しました。これに伴い、ファンの回転速度も1814 RPMから1461 RPMへと大幅に抑えられています。
この改善の主な要因はVRAMの違いにあり、SK Hynix製のGDDR6温度が87℃だったのに対し、サムスン製は77℃と10℃も低い結果となりました。VRAMの温度が下がったことで、カード全体の消費電力とファン速度も低下するという、まさに一石三鳥の効果が確認されています。
性能のSK Hynix、静粛性のサムスン製
性能を求めるか、静粛性を求めるかはユーザーによって趣向が分かれますが、今回XFXが紹介した比較ではサムスン製が優れた静粛性や電力効率を持つことを明らかにしている一方で、Bilibiliの掲載記事の中では「SK Hynix製の方が高い性能を持つ」と言うことも認めています。
そのため、性能を重視するのであればSK Hynix、静粛性を重視するのであればサムスン製が最適と言えるのですが、購入する際にどちらのGDDR6を搭載しているか判別する方法はないため、GDDR6のメーカーについては「ガチャ」状態であるのが現状です。
ただ、少なくともXFXのRadeon RX 9060 XT V3モデルではサムスン製GDDR6を搭載していることが明らかにされているため、もし消費電力や温度、静粛性を重視するのであれば、このモデルを検討してみる価値はありそうです。
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