NVIDIAはGPU市場の94%を支配。AMDは存在感を示せず、Intelは存在感が消える

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グラフィクスカードの出荷台数が異例の伸びを記録。原因は相互関税

グラフィクスカード市場は長らくNVIDIAが大多数のシェアを獲得する寡占状態が続いていますが、2025年第二四半期の市場調査結果でもこの状況は変わらないどころかNVIDIAがさらにシェアを伸ばしたことが明らかになりました。

グラフィクスカードなどPCコンポーネントの出荷台数などの調査を行っている調査会社Jon Peddie Research(JPR)によると同期間中に出荷されたグラフィクスカードの合計数は1160万台に達したとのことで、これは前期比で27%増と驚異的な伸びを記録しています。例年、2025年第二四半期は大型連休が無く、入学シーズンの前であることからPCコンポーネントの出荷台数が伸び悩む時期になっていますが、今年はアメリカのトランプ政権で導入された相互関税の影響と見られており、この関税発動前に出荷を行ったためと見られています。

NVIDIAは市場の94%を獲得。AMDは存在感を示せず

この大きな出荷台数の伸びに対して、AMD、Intel、NVIDIA各社の出荷台数ベースのシェアはNVIDIAが前期比で2%増の94%を獲得する一方で、AMDは2%減の6%、そしてIntelは3期連続で0%を記録しています。

NVIDIAのグラフィクスカードは発売時の評判はあまり良いとは言えず、販売価格も発売時から10~20%程度落ちている状況ですが、決算発表では過去最高の営業利益を上げていることを明らかにしているなど評価とは裏腹に非常に好調で、実際に市場調査結果でもこの好調ぶりと言う事実を補強している状況です。特にNVIDIAに関しては多くのBTOやOEM製のゲーミングPCに搭載される傾向にあるほか、中国ではネットカフェなどでも多くがNVIDIA製と見られていることからこのような結果になっているようです。

一方でAMDはRDNA 4はNVIDIAとは対照的に発売時の評価は非常に高く、AMD自身も売れ行きは過去最高であることを明らかにしていましたが、Steamハードウェア調査では2025年8月の集計結果でもランキングに現れてこなかったなど依然としてニッチな存在であることが浮き彫りになっており、NVIDIAに太刀打ちするにはBTOやOEM製PCでの搭載率拡大などが必要になると考えられます。

なお、Intelに関しては3期連続で0%と厳しい結果になっていますが、2025年中にArc B770などアッパーミドルレンジモデルの発売などが予想されているため、今後0%を脱却できるかがカギとなりそうです。

NVIDIAの存在感が光る一方で長期的には市場は縮小へ

NVIDIAが市場を寡占しているグラフィクスカードですが、JPRの予測によると今回の出荷台数増は関税要素など一時的なものに留まる見込みで、2024年から2028年の間に同市場は年間で平均5.4%で縮小すると予測されているようです。この縮小理由はStrix Haloなど強力な内蔵グラフィクスを持つAPUの登場によるもので、特に出荷台数が大きいエントリーからミドルレンジモデルはAPUなどに置き換わっていくと見られています。

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『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
幼い頃から自作PCなどに触れる機会があり、現在は趣味の1つに。
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