Google Pixel 10でAI重視の姿勢を鮮明に
Googleが2025年8月29日に発売したPixel 10シリーズは、新しいTensor G5チップセットを搭載する一方、体感に直結しやすいRAM容量はPixel 9シリーズから据え置きです。ベースモデルのPixel 10は12GB、上位モデルは16GBのRAMを備えています。
ただし、RAM容量が据え置きでありながら、ベースモデルのPixel 10ではAI機能をオフラインでも即時に使えるよう仕様が変更されました。これにより、ユーザーが実際に利用できるRAMがPixel 9よりも3GB少なくなることが明らかになっています。
Pixel 10は12GBのRAMに対して新たにAI用に3GBのRAM容量が常時確保されるように
Android Authorityによると、Pixel 10では12GBのRAMのうち約3GBがAI専用領域として確保(パーティション化)されているとのことです。この領域はGoogle AICoreサービスやTensor G5内蔵TPU(AI処理ユニット)のために割り当てられるもので、ユーザーがアプリやゲームに使うことはできません。RAMが不足している状況でも、この3GBはAI機能のオン/オフにかかわらず解放されない仕様とされています。
なお、この仕組みはPixel 9シリーズでも、16GB RAMを備えるPixel 9 Pro以上のモデルで既に導入済みでした。一方で、12GBと比較的RAMが限られるPixel 9無印には適用されていませんでしたが、Pixel 10ではAI機能をより前面に打ち出すため、ベースモデルにもAI専用領域を設定したと見られます。
日常用途は概ね問題なし。ゲームや動画編集、数年以上の使用では注意が必要に
12GB中3GBが占有されるため、ユーザーが使えるのは理論上9GB前後になります。ブラウジング、メール、動画視聴といった日常用途ではおおむね十分と考えられますが、ゲームや動画・写真編集など負荷の高い作業では、アプリの同時起動数やバックグラウンド保持に影響し、もたつきを感じる可能性があります。加えて、OSや主要アプリのRAM使用量は年々増加する傾向にあるため、2〜3年後にはパフォーマンス低下がより顕著になる懸念もあります。とりわけPixel 10は12万円超のハイエンド寄りの価格帯であるため、可用RAMの減少がユーザーの不満につながらないか注視したいところです。
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