ソケットAM5で発生したCPU焼損問題についてAMDが初めてコメント
AMDのソケットAM5では特にRyzen 7 9800X3Dといった3D V-Cacheを搭載するCPUとASRock製マザーボードを組み合わせた際にCPUやマザーボードのソケット部分の一部が焼損すると言った不具合が発生しておりRedditなどでは度々話題になっていました。
そして、この不具合についてASRock側は2025年5月頃にPBO設定の中のTDC(Thermal Design Current)およびEDC(Electrical Design Current)について値が高すぎたことを認め、BIOSアップデートを展開しています。ただ、このBIOSアップデート適用後もReddit上では依然として焼損が疑われる不具合が発生したと言う声が出ているなど問題の完全解決には至っていない可能性がありますが、AMDはこの件について韓国メディアでのインタビューに応じ、初めて公式見解を明らかにしました。
AMDは原因はCPUではなく各メーカーのBIOS設定にあると明言

QuasarzoneがAMDに対して今年初めごろからソケットが焼損するAM5 CPUが出ており、これに対するAMDの責任の所在や対策について質問を行っています。
これに対してAMD側はマザーボードなどを作る各メーカー(ODM)と連携し不具合が発生しないように製品やBIOS開発を進めているとのことです。ただ、今回の件については一部ODMがAMDが設定したBIOSの推奨値から逸脱した設定を行っていたことが原因とのことです。そのため、CPU自体に何か欠陥がある訳ではないことを明らかにしています。
なお、この推奨値についてはAMD製品はマザーボードのライフサイクルが長いことから組み合わせが多いほか、PBOなどオーバークロックにも対応しているため不具合が発生する条件などが複雑であるとのことです。ただ、不具合が発生すればODMなどのパートナーと協力して問題解決に取り組む姿勢を明確にしています。
焼損不具合への対策は「BIOSアップデート」
なお、AMDはこの焼損不具合などに対してユーザーが取れる対策を明らかにしていますが、その対応策については「マザーボードBIOSを常に最新バージョンにアップデートすること」を明らかにしています。
BIOSアップデートに関しては不要なアップデートは控えるべきと言う話もCPU焼損不具合の話が出た際に言われていました。しかし、BIOSアップデートには市場で発見された不具合への対策や、パフォーマンス向上、場合によってはセキュリティー関連も含まれていることからBIOSは常に最新バージョンへアップデートすることを推奨すると言うのがAMDのスタンスのようです。
そのため、特にソケットAM5マザーボードと3D V-Cacheを搭載するCPUを使っているユーザーに関しては使用しているマザーボードメーカーのサポートページを定期的に確認し、BIOSを常に最新版にアップデートすることが推奨されます。
ちなみに、最近のマザーボードはバックアップを備えたデュアルBIOSやUSB経由でBIOSフラッシュバックができるため、BIOSアップデートに失敗するといったリスクが大きく下がっています。そのため、ユーザーはあまり怖がらずにサポートページ記載の内容をしっかり守ってアップデートすれば問題ありません。
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