AMDがZen 5にエントリーモデル Ryzen 5 9500F を投入へ
AMDは2025年に新世代CPUを投入する計画はなく、既存のRyzen 9000シリーズのラインアップ拡充を重点的に進めると見られています。その中でも特に不足していたエントリーモデルに、新たに「Ryzen 5 9500F」と呼ばれる製品が投入される可能性が、Geekbenchのベンチマーク情報から明らかになりました。
Ryzen 5 9600並みの性能でより安価に

Geekbenchに掲載されたRyzen 5 9500Fは、名称に「F」が付くことから内蔵GPUを搭載しないCPUです。スペックは6コア12スレッドで、動作クロックはベース3.8 GHz、ブースト最大5.0 GHzとなっています。
この仕様は上位モデルのRyzen 5 9600と比較すると、ブーストクロックが5.2 GHzから5.0 GHzに引き下げられ、内蔵GPUが非搭載になっている点が主な違いです。それ以外の大きな変更点は見られません。
実際のベンチマークでは、Ryzen 5 9500Fはシングルコアで3,122ポイント、マルチコアで14,369ポイントを記録しています。
CPUモデル | シングルコア | マルチコア |
---|---|---|
Ryzen 5 9600 | 3,166 | 14,257 |
★Ryzen 5 9500F | 3,122 | 14,369 |
Geekbenchのスコアによると、シングルコア性能はブーストクロックの差によりRyzen 5 9600より約1.4%低い結果となりましたが、マルチコアでは逆に上回っています。全体として、Ryzen 5 9500FはRyzen 5 9600と同等クラスの性能を持つと評価できます。
Ryzen 5 9500Fは現時点で公式発表がなく、価格も未定です。しかし、すでに販売されているRyzen 5 9600が日本では正規代理店品で38,940円前後となっていることから、Ryzen 5 9500Fは34,000円以下で登場する可能性が高いと見られます。さらに並行輸入品であれば3万円を切る水準で入手できる可能性もあり、コストパフォーマンスに優れたCPUとなりそうです。
また、AMDは今回のRyzen 5 9500Fに加えて、内蔵GPUを無効化した「Ryzen 7 9700F」も近く投入すると見られています。これにより、これまでハイエンド寄りだったRyzen 9000シリーズにもミドルレンジやエントリーモデルが加わり、秋以降にはより手ごろな価格でAM5プラットフォームへ移行できる点が大きな魅力となりそうです。
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