Intel Arrow Lake Refreshの性能に関するリークが登場
Intelが2024年に投入したデスクトップ向けArrow Lake CPUは、先代のRaptor Lake Refreshと比べて電力効率が大幅に向上した一方で、ゲーミング性能を中心に見劣りする点が指摘され、評価を下げてしまいました。その結果、AMD Ryzen 7 9800X3Dを中心とする競合製品にシェアを奪われる状況となっています。
こうした状況を受け、Intelは2025年にArrow Lakeのリフレッシュモデルにあたる「Arrow Lake Refresh」を投入予定であることが複数のリークによって報じられています。ただし、当初伝えられていた変更内容は動作クロックの向上程度にとどまり、製品名も現行Arrow Lakeの延長線上に位置づけられる「Core Ultra 200シリーズ」として展開されると言われてきました。そのため、性能面で大きな向上は期待できないと見られていましたが、今回新たにゲーミング性能に関する情報が登場しています。
Ring BusやD2Dクロック向上でゲーミング性能は7~10%向上へ
Moore's Law is Deadによると、Arrow Lake Refreshでは動作クロックの向上に加え、Ring BusクロックやD2D(Die to Die)クロックが大幅に引き上げられるとのことです。
現行のArrow LakeはCPUの最大動作クロックが5.7 GHzに設定されていますが、これが6.0 GHz前後まで引き上げられる可能性があるとされています。また、Ring BusクロックやD2Dクロックについて具体的な数値は示されていませんが、特にRing Busクロックは「大幅に引き上げられる」とされ、先代Raptor Lakeに近い水準に設定される見込みです。D2Dクロックについても同様の強化が行われると伝えられています。
この各種機能の動作クロック向上によりゲーミング性能は7~10%程度の向上が見込まれているとのことです。

もし現行のCore Ultra 9 285K比でこの程度の性能向上が実現すれば、少なくともRaptor Lake世代のCore i9-14900Kに匹敵し、うまくいけばRyzen 7 9800X3Dに迫るゲーミング性能を獲得できることになります。これにより、現行Arrow Lakeで弱点とされてきたゲーミング性能を大きく克服できる可能性があります。
Ring BusはRaptor Lake問題の一因だった機能
Ring BusやD2Dはあまり聞きなれない機能ですが、これらはArrow Lake CPUの中でコアとメモリーを繋げる役割があり、これらの動作クロックはメモリーとのレイテンシが重要となるゲーミング性能に大きく影響します。
ただし、Ring Busについては注意点もあります。先代Raptor LakeシリーズではRing Busクロックを5.0 GHzと高めに設定したことが、後に判明したCPUの劣化問題の一因であったと噂されています。その影響もあってか、Arrow LakeではRing Busクロックが3.8 GHzと極端に低めに設定されていました。今回のArrow Lake Refreshでは、Raptor Lakeで生じた問題を設計段階で改善したとされ、そのうえでRing Busクロックの引き上げが可能になったと見られています。そのため相当高められると言うことで4.0 GHzは確実に超え、場合によっては4.5 GHz近くまで高められる可能性があると考えられます。
今回のリーク通り、Arrow Lake Refreshが現行Arrow Lakeに対して7~10%程度のゲーミング性能向上が実現できれば皆無だった競争力を一気に取り戻せることになります。これにより次世代CPUのNova Lakeが登場するまでの間にIntel CPUのシェア低下に歯止めをかけられると考えられますので今後の動向に注目が集まります。
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