Intelが2022年中の発売を予定されている、数十年ぶりのディスクリートGPUである『Arc』そしてその第一世代製品である『Alchemist』(aシリーズ)について現在判明している仕様や各最新情報の記事一覧をまとめて紹介します。
『Arc Alchemist』の最新情報一覧
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Intel初のグラフィックスカード『Arc』その第一世代製品『Alchemist』の基本情報ついて
Arc はIntel初のディスクリートグラフィックスカードであり、NVIDIAやAMDの二社が寡占しているグラフィックスカード市場に割って入る第一世代製品の名称が『Alchemist』と呼ばれています。なお、世代毎にアルファベットが進む予定でAlchemistの次はBattlemerge、その次はCelestialと呼ばれる見込みです。
なお、Arc Alchemistの正式名称が発表されるまでは、開発コードネームである『Xe DG2』と言う呼称で呼ばれています。そのため、このブログ内ではArc Alchemistと呼ばれる前の情報は『Xe Graphic』カテゴリーにすべて割り振られています。
Intel Arc Alchemistの名称は『a』+3桁数字になる模様
この第一世代製品であるAlchemistではデスクトップ向けのグラフィックスカードの他に、モバイル向け製品も展開され、TSMCの6nmプロセスを利用して製造される予定となっています。
かつてはXe DG2と呼ばれていたGPU
Arc Alchemistについては、かつてはIntelのグラフィックスアーキテクチャーであるXe、その中のデスクトップ向けモデルはDG2と言う呼称で呼ばれておりArc Alchemistが正式発表されるまではこの名称でリーク情報などは取り扱われています。
デスクトップ向けには3モデルが登場
Intel Arc Alchemistは3つのGPUが登場。エントリーはGTX 1650S相当性能
Intel Arc Alchemist GPUの内部資料がリーク。RTX 3070相当の性能に
Arc Alchemistでは、合計で3つのモデルがデスクトップ向けとしては登場する予定となっています。また、GPUコアとしては2つ用意され、1つはハイエンドとミドルレンジモデルに採用され、もう一つはエントリーモデルに採用される予定となっています。
ハイエンドモデル
- GeForce RTX 3070程度の性能を有する
- コアには512基のExecution Unit(EU)を搭載し、動作クロックは2.2GHzから2.5GHz
- バス幅256bitで接続されるGDDR6 16GBを搭載。
- 特別モデルではメモリー速度が18Gbpsに引き上げられる可能性あり
- 現在存在するサンプル品では電源が8+6pin構成。ただしTDPは通常モデルでは235W以下になる見込み
ミドルレンジモデル
- GeForce RTX 3060からRTX 3060 Ti並みの性能
- コアにはハイエンドモデルから一部EUを無効化した384基のEUが搭載される
- 448基のEUを搭載するモデルもサンプルで存在したが、デスクトップ向けで出現するかは不明。ラップトップ向けに登場する可能性があり
- バス幅にについて明確には分からないものの、192bitになる事が複数ソースより言われている
エントリーモデル
- 128基のEUを搭載し、動作クロックは2.2GHzから2.5GHz
- 64bitのバス幅で接続される8GBまたは4GBのメモリーを搭載
- 75W以下のTDP
- リファレンスモデルの見た目は上面が平らになったDG1に似ている
※モバイル向けArc Alchemistについては情報が入り次第更新します。
ハイエンドモデルはGeForce RTX 3070程度の性能に
Intel Arc Alchemist GPUの内部資料がリーク。RTX 3070相当の性能に
Intel Arc Alchemistの性能に関しては、Intelの内部資料や、Moore’s Law is Deadなどのリーク情報によると、ハイエンドモデルではGeForce RTX 3070と同等の性能を目指して開発が進められているとの事です。
ミドルレンジモデルについては、GeForce RTX 3060とRTX 3060 Tiの間に位置する見込みとの事ですが、Intelが競合であるNVIDIAやAMDを出し抜くために性能に関する情報はまだ不確定との事です。ただ、少なくとも上記モデルと戦えるだけの性能は持つようです。
また、エントリーモデルに関してはNVIDIAのGeForce GTX 1650またはGTX 1650 Superに匹敵する性能となっていますが、GTXシリーズには無いレイトレーシング機能やNVIDIAのDLSSに似たXe Super Sampling(XeSS)の利用が可能になっています。
Intel版DLSS、Xe Super Sampling (XeSS)
NVIDIAではDLSS(Deep Learning Super Sampling)と呼ばれる、負荷の高いゲームをネイティブ解像度より低い解像度で描写し、GPU内部で機械学習を使ってアップコンバートしネイティブ解像度とほとんど変わらない画質でネイティブ解像度の時よりも高いパフォーマンスを出す機能が搭載されていますが、IntelのArc Alchemistではこの技術に近い『Xe Super Sampling(以下:XeSS)』と呼ばれる技術が搭載される事が発表されています。
発売時期は2022年上半期中
Intel Arc Alchemistのレンダー画像が出現。発売は2022年Q2に延期に
NVIDIAやAMD製のグラフィックスカードは半導体不足やマイニングの影響を大きく受け、価格の大幅高騰や在庫不良に見舞われている状況の中で、Intel製GPUが登場する事は消費者にとっては選択肢が増え、NVIDIAやAMD製グラフィックスカードの価格を下げる要因にもなり得ます。
IntelはこのArc Alchemistについて、公式プレスリリースにて2022年第一四半期(2022年1月~3月)に登場させることを明言しています。このことから、2022年の1月に開催されるCES2022で発表される事が有力視されていましたが、最新のリークによると先行してモバイル向けGPUが2022年第一四半期に発売されるものの、デスクトップ向けモデルの発売は2022年第二四半期(2022年4月~6月)の間にリリースが遅れる可能性があると言われています。この理由としては、中国でのデルタ株蔓延や、大規模かつ断続的な停電が影響しているとの事です。
ただし、Intelとしてはサプライチェーンの動向に細心の注意を払っているようで状況次第ではデスクトップ向けが先、ラップトップ向けが後と逆転したり、予定が大きく変る可能性があるとの事です。
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