サムスンやSK HynixがDDR4の生産停止を延期? 2026年後半まで供給へ
サムスンやSK HynixなどDRAM製造大手は近年主流になりつつあるDDR5やAIブームで需要が急騰し、利益率も高いHBMなどと言った最新規格へ移行加速させるため、旧世代のDDR4の生産を2025年から2026年初頭までに生産終了の動きを見せていました。しかし、DDR4はコンシューマー向けやエンタープライズ用途で依然として根強い需要があります。そのため、この生産終了の動きが市場に伝わるとDDR4価格が高騰し始めました。
こうした市場での混乱や価格高騰を受けてサムスンとSK HynixはDDR4の生産終了時期を当初予定より1年近く延期し、2026年後半まで供給する可能性が出てきています。
これまでの経緯として、サムスン、SK Hynix、Micronの大手3社は2025年春ごろ、DDR4の生産終了を通知していました。具体的には、サムスンとMicronは2025年末まで、SK Hynixは2026年初頭までに生産を終了する計画を明らかにしていました。しかし、この生産終了発表に伴い市場ではパニック買いが発生し、2025年第二四半期にはDDR4のスポット価格が最大200%もの価格上昇を見せ、DDR5よりDDR4の方が高いと言った逆転現象が発生していたとのことです。
こうした混乱を受けてなのか最近になりサムスンやSK Hynixなどの韓国大手のDRAMメーカーは当初設定していたDDR4の生産終了時期を延期することで製造コストが比較的安価なDDR4で利益を確保する戦略を模索しているようです。
実際に、サムスンはDDR4のウェハー供給を2026年第二四半期まで延長するほか、SK Hynixは長期的なパートナー企業に対しては2026年第四四半期まで注文を受け付ける姿勢を見せるなど当初計画より大幅な生産延長となるようです。
DDR4はコンシューマー向けPCではDDR5への移行が始まっている一方で、スマートフォンやSSD、産業用制御機器など多くの分野で広く利用されています。これら製品の顧客がDDR5へ移行するには、製品の再設計や検証を含めると半年程度の期間が必要と見られています。そのため、当初計画されていた2025年末での生産終了は、市場のパニック買いを誘発するには性急すぎるスケジュールでした。
DDR4に関してはコンシューマー向けPCなどではDDR5への移行し始めている一方で、スマートフォンやSSD、産業用制御機器など多くの分野でまだまだ使われており、これらの顧客がDDR5へ移行するには製品の検証含めて半年程度はかかると見られています。そのため、当初の2025年終わりでの生産終了はパニック買いを促してしまうスケジュールでした。
今回、サムスンとSK HynixがDDR4の生産を2026年末頃まで継続する方針を示したことで、DDR4を巡る市場の混乱はひとまず緩和されると期待されます。ただし、DDR4がいずれ生産終了となる流れに変わりはありません。将来的には、DDR4を搭載するSSDなどで設計変更に伴う価格上昇も考えられるため、引き続き消費者への影響が注視されます。
South Korean chipmakers reportedly delay DDR4 phase-out amid supply crunch | Digitimes
https://www.digitimes.com/news/a20250717PD203/ddr4-dram-production-samsung-ddr5.html?chid=10
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