GeForce RTX 5060 のレビューが一部で登場。RTX 4060 Tiを超えられずコスパも微妙?
NVIDIAが2025年5月19日(日本は5月20日)に発売するGeForce RTX 5060はGeForce RTX 5000シリーズとして最も販売台数が期待できるミドルレンジモデルとして投入されます。
グラフィックスカード モデル | GeForce RTX 5060 | GeForce RTX 4060 |
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内蔵GPU | GB206 | AD107 GPU |
クラス | ミドルレンジ | ミドルレンジ |
CUDAコア数 | 3,840 | 3,072 |
ベース クロック | 2.28 GHz | 1.83 GHz |
ブースト クロック | 2.50 GHz | 2.46 GHz |
VRAM仕様 | 28 Gbps GDDR7 | 17 Gbps GDDR6 |
VRAM容量 | 8GB | 8GB |
バス幅 | 128-bit | 128-bit |
帯域幅 | 448 GB/s | 272 GB/s |
TDP | 145W | 115W |
スペックはCUDAコアを3840コア搭載し、128-bitのバス幅で28Gbps動作のGDDR7を8GB搭載することで448GB/sと言う帯域幅を実現しています。このスペックは先代のRTX 4060と比べるとコア数は25%増、帯域幅は1.65倍と大きく向上しているため、比較的高い性能が期待されていました。
GeForce RTX 5060 Ti 8GB版をPCIe Gen 4で使うとGen 5時より性能が10%以上低下
しかし、先に発売されたRTX 5060 Ti 8GB版では一部のタイトルでは8GBと言うVRAM容量が制約となり性能が大きく低下するケースや、PCIe Gen 4環境で利用するとGen 5に比べて性能が10%低下するなど8GBと言うVRAM容量が仇となるケースが散見され、NVIDIAはRTX 5060の発売日にレビューが掲載されないようにレビューアーなどに対してドライバー提供を発売日に設定するなどの工作が行われていました。
NVIDIAが GeForce RTX 5060 のレビューを操作? 指定条件のレビューを先行公開を条件にドライバーを事前提供。
また、最近ではNVIDIAがDLSS4を使いRTX 4060との比較は行わないなどの条件において一部タイトルのベンチマーク結果の開示を行いましたが、中国のExpreviewにてRTX 5060をDLSS4無しでRTX 4060やRTX 3060などと比較したレビューが公開されました。
タイトル | 設定(基本最高設定) | |||||||||||||||||||||||||||||
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Cyberpunk 2077 | レイトレーシング:オーバードライブ | |||||||||||||||||||||||||||||
ホグワーツ:レガシー | 画質・レイトレーシング:最高 | |||||||||||||||||||||||||||||
DOOM: The Dark Ages | 最高画質、テクスチャープール=1536MB | |||||||||||||||||||||||||||||
Marvel Rivals | 最高画質(+Lumen) | |||||||||||||||||||||||||||||
Avowed | 最高画質 |
レビューで取り上げられているタイトルは、NVIDIAが一部メディア向けにプレビューとして公開を許可していたものと同じであることから、Expreviewはおそらくプレビュー記事執筆と並行して、DLSSなしの条件やRTX 4060を含めた比較テストを実施し、NVIDIAからの制約を受けないレビュー解禁日に合わせてこれらのベンチマーク結果を公開したものと見られています。



Expreviewのレビューでは、各タイトルにおいてネイティブ解像度での性能に加え、DLSS 2、DLSS 3(+FG)、DLSS 4(MFG3x)、DLSS 4(MFG4x)といった各種DLSS設定を適用した状態でのフレームレート(FPS)が計測されており、DLSSの有無やバージョンによる性能差が比較できるようになっています。
テストされたのは5タイトルと限定的ですが、この結果によると、RTX 5060はネイティブ解像度やDLSS 2といった同等条件下において、RTX 4060に対して11%から26%の性能向上を示しています。最も性能向上率が低かったのは『Avowed』で、DLSS 2使用時にRTX 4060の55FPSに対し、RTX 5060は61FPSと11%の向上でした。一方、最も高い性能向上を記録したのは『ホグワーツ:レガシー』で、RTX 4060が43FPSだったのに対し、RTX 5060は26%増の54FPSに達しました。また、高負荷なグラフィックでベンチマークによく取り上げられる『Cyberpunk 2077』では、DLSS 2使用時にRTX 4060の40FPSから13%向上し、RTX 5060は45FPSを記録しました。
性能向上率については、テストタイトル数が少なく11%~26%とばらつきも大きいため、より多くのタイトルを用いたレビューの登場が待たれます。現状、5タイトルの平均では16%の向上となっており、これは同シリーズ上位モデルのRTX 5070やRTX 5070 Tiが示した先代からの性能向上幅と比較すると、堅実な伸びと言えるかもしれません。ただし、RTX 5060の性能は、RTX 4060を上回るものの、その上位モデルであるRTX 4060 Ti(RTX 4060比で25%~30%程度高性能)には及ばず、RTX 4060 Tiより約10%低い性能に留まっています。
そのため、コストパフォーマンスの観点で見るとRTX 5060は最安値モデルが55,800円で販売されるものの、先代のRTX 4060は43,800円、上位モデルのRTX 4060 Tiは生産終了となるまでは57,000円程度で販売されていたことからRTX 4060やRTX 4060 Tiに対してもコストパフォーマンスは大きく悪化していると言え、少なくとも発売日時点の価格で購入するのはナンセンスと言える状態になっています。
なお、今回のExpreviewのレビューはテストタイトル数が限られています。RTX 5060 Ti 8GB版でVRAM容量不足が指摘された『The Last of Us』や『Horizon Forbidden West』、『Indiana Jones』といったVRAM使用量が多いタイトルでRTX 5060がどのようなパフォーマンスを示すのか、また、PCIe Gen 4環境での使用を予定しているユーザーにとって、Gen 4環境で実際にどの程度性能が低下するのかなど、まだ明らかになっていない点が多く残っています。現時点でのコストパフォーマンスの悪さも考慮すると、RTX 5060の即時購入は控え、より詳細なレビューの登場や価格の動向を見守るのが賢明かもしれません。
GeForce RTX 5060抢先游戏体验 DLSS 4实现3A 100+ FPS,画面帧率双超越 | Expreview
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中国に工場建設したりNVIDIAの動きがきな臭くなってきた