GIGABYTE製 GeForce RTX 5000 や Radeon RX 9000 でグリスが発熱部から垂れ落ちる不具合が発生中。リコールはなし?
GIGABYTE製のGeForce RTX 5000シリーズでは数週間前からグラフィックスカードを縦置きに設置している一部ユーザーからサーマルグリスが垂れ落ちるという不具合が報告されています。


このサーマルグリスはGPUダイ本体のほかに発熱量が大きいGDDR7、VRMなどの熱をヒートシンクに逃がす役割があり、正常に放熱できなければサーマルスロットリングの他に、寿命を短縮してしまうなどの長期的運用での信頼性が落ちると考えられています。
この件についてGIGABYTEは声明を明らかにしており、このグリスは縦置きや振動での試験をクリアしており、液化するなどの現象も150℃を超えない限り起きないとしています。また、グラフィックスカードからグリスが垂れ落ちる現象はGeForce RTX 5000シリーズやRadeon RX 9000シリーズの一部初期ロットにおいて最低限を超える量のグリスが発熱箇所に塗布されていたとのことです。そして、その余分なグリスが垂れ落ちることで、懸念を抱くような見た目になっていますが、製品のパフォーマンスや信頼性、寿命などには影響がなく、リコールなどの対応は行わないことを明らかにしています。


しかし、この公式声明とは裏腹に、TechPowerUPの掲示板には縦置きレイアウトで設置されたGIGABYTE GeForce RTX 5080 GAMING OCを持つユーザーからサーマルグリスがVRMやGDDR7モジュールから半分以上垂れ落ちてしまっている状態を写した画像が投稿されています。
このユーザーによると、RTX 5080は2月に購入されたもので3ヶ月ほど使用しているとのことですが、現時点でGDDR7含めてオーバーヒートし、パフォーマンス低下や動作の不安定などは見られていないとのことです。
GeForce RTX 5080についてはTDPが360Wと高めに設定されていることから、VRAMへかかる負荷、つまり発熱が大きくなっています。また、GDDR7も30Gbpsという速度で動作することから発熱量が大きいメモリーモジュールになっているため効率的に冷却しなければパフォーマンス低下や寿命を短縮する要因にもなりかねないため、グラフィックスカードを縦置きにしているユーザーに関しては注視する必要がありそうです。
ただ、現状GIGABYTEはこの件でRMAなど初期不良対応を行う意向は見せておらず、ユーザーがグリスの再塗布などを行った際にはグラフィックスカードを分解したとして保証が効かなくなる恐れもあるためたとえこの問題に遭遇しても何も手が出せないのが現状です。そのため、GIGABYTE側ももう少し調査を行い、このようにGDDR7やVRMなど重要な部品からグリスが落ちてしまっているケースについてはRMAを受け付けるなどの対応が望まれます。
GIGABYTE AORUS RTX 5080 MASTER Starts Leaking Thermal Gel After Four Weeks of Light MMO Gaming | TechPowerUP
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