GeForce RTX 5000 シリーズの基板に100℃超えのホットスポットが発生する? 寿命に悪影響か
NVIDIAのGeForce RTX 5000シリーズについては最初に発売されたGeForce RTX 5090では電源コネクターが溶ける不具合が発生した他、GPUのコア数が一部足りない個体、ドライバー不具合など作りこみや品質確認が不足しているような出来栄えになっていますが、今回新たにすべてのGeForce RTX 5000シリーズにおいて基板上にホットスポットが点在する可能性が指摘されており、グラフィックカードの寿命や安定性に問題を及ぼす可能性があるようです。


Igor’s LABによると、GeForce RTX 5000シリーズについては基板の小型化を図るためVRMなど電源供給を司る部品類(FET、コイル、ドライバICなど)が密集している設計になっていますが、この密集した設計により特にGPUダイと映像出力コネクタの間に位置する電圧レギュレータ周辺で局所的に熱がこもりやすく、GPUコアより著しく高い温度を示すホットスポットが形成されてしまっているとのことです。
実際にサーマルカメラではPalit製GeForce RTX 5080ではGPUコア近くの温度は70℃近くですが、GPUと映像出力の間の基板上では80.5℃のホットスポットが、より基板が小型化されているPNY製GeForce RTX 5070ではGPUコア近くの温度は70℃の一方で、ホットスポットは107.3℃と危険性を感じるレベルの温度に達していたことが明らかにされています。
このように高温になる原因は基板の小型化やそれに伴う部品の密集がありますが、廉価モデルを中心にGPUやGDDR7以外のVRM周辺エリアに対する冷却対策が不十分な製品が多く、ヒートシンクがVRMまで覆っていなかったり、バックプレートが装着されていてもサーマルパッドなどが装着されていないこともホットスポットを形成する一因になってしまっているようです。ただ、Igor’s Labによると例えばバックプレートの間にサーマルパッドを貼り付けるだけで107.3℃を記録していたRTX 5070は95℃を下回るレベルにまで改善したとのことです。
この基板上が非常に高い温度に晒されることによる影響は、グラフィックカードの寿命に関わるとされ、特に80℃を超える高温状態に長時間晒されるとエレクトロマイグレーション(電子の移動によって回路内の金属原子が移動し、断線やショートを引き起こす現象)や部品自体の経年劣化を加速する可能性が高く、数年間の通常使用のうちに性能低下や突然の故障などが発生するリスクが高まる懸念があるようです。
そのため、ユーザーができる対策としてはPCケース内に熱が溜まらないようにエアフローを考慮するなど基本的な事のほかに、GPUのファン回転数を高めに設定、また応用としてはバックプレートにサーマルパッドを貼り付けるなどが挙げられますが、抜本的な対策としてAIB各社による冷却設計の改善やNVIDIAによる設計ガイドラインの見直しなどが期待されます。
Local hotspots on RTX-5000 cards: When board layout and cooling design don’t work together and a pad mod has to help | Igor’s LAB
コメント
コメント一覧 (2件)
該当するブランドのモデルについて情報が欲しいですね汗
> 100℃超え
えーと。
ネタですよね?
注:高温になっている箇所がDC-DCのレギュレーターであれば100度ぐらいの熱はへでもないが、問題は周辺への熱処理についてちゃんと設定しているのかが心配だ。
(アムダールに行って新製品の『回路図』を見た池田敏雄が『ここの部分の熱処理がどうなっているのか(アムダールに)訊いてくれ』と通訳に言ったらアムダールの技術者が硬直したとかいう話は、二度とないんだろうなぁ)