GeForce RTX 5060 Ti 8GB のゲーミング性能が判明。16GB版から性能半減の場合も
NVIDIAは2025年4月16日にミドルレンジモデルのGeForce RTX 5060シリーズの中の上位モデルであるGeForce RTX 5060 Ti 16GBと8GBを発売しましたが、この発売では16GB版のみ出荷される一方で、8GB版は全く出荷されず、ペーパーローンチとなっていました。また、発売前にインフルエンサー向けにレビュー用サンプルを出荷した際にはすべてRTX 5060 Ti 16GB版となっており、8GB版のレビューは一切掲載されていない状態でしたが、中国のBilibiliで活動するインフルエンサーがこのGeForce RTX 5060 Ti 8GB版を入手し、ゲーミング性能などを明らかにしています。
グラフィックスカード モデル | GeForce RTX 5060 Ti | GeForce RTX 4060 Ti |
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内蔵GPU | GB206 | AD106 |
クラス | ミドルレンジ | ミドルレンジ |
CUDAコア数 | 4,608 | 4,352 |
ベース クロック | 2.41 GHz | 2.31 GHz |
ブースト クロック | 2.57 GHz | 2.54 GHz |
VRAM仕様 | 28 Gbps GDDR7 | 18 Gbps GDDR6 |
VRAM容量 | 8GB / 16GB | 8GB / 16GB |
バス幅 | 128-bit | 128-bit |
帯域幅 | 448 GB/s | 288 GB/s |
TDP | 180W | 165W |
GeForce RTX 5060 Ti 8GB版の仕様はCUDAコアは4608コアで、動作クロックは最大2.57 GHz。バス幅は128-bit、帯域幅も448 GB/sで唯一異なるのがVRAM容量が8GBか16GBかだけになっています。ただ、8GB版については現代のゲームにおいてはVRAM容量が足りないと言う指摘があり、特に1080pを最高画質でプレイしたい用途や1440p解像度での使用では特に懸念されていましたが、Bilbiliの碳基科技研究所の挙げたレビューではその懸念が正しいことを突き付ける結果になっています。

VRAM容量があまり求められない3DMarkにおいてはRTX 5060 Ti 8GB版も16GB版もスコアは同等で、コア数や動作クロックが同じであることから当然とも言える結果になっています。


しかし、比較的新しいタイトルであるアサシンクリード・ジャドウズではRTX 5060 Ti 16GB版に対して8GB版では10%ほど性能が落ちてしまう他、Horizon Zero Dawn Remasteredにおいては1080pでは22%、1440pにおいては14%ほど性能が低下することが確認されています。また、先代のRTX 4060 Tiに対しては1440pでは帯域幅拡大によって最大15%の性能向上が見られますが、1080pではそのアドバンテージが活かせず、5~8%の性能向上しか見られない状態になっています。

NVIDIAはGeForce RTX 5000シリーズで複数フレームを生成するMulti Frame Generation (MFG)を様々なプレゼンテーションでアピールしていますが、Cyberpunk 2077で1440p+パストレーシング設定とした検証ではRTX 5060 Ti 16GB版がMFG使用時は113FPSを発揮できていますが、8GB版では92.4FPSと18%ほど性能が下がってしまっています。また、DLSSなしの状態ではフレームレートが半分になってしまっており、特にVRAM容量を圧迫するパストレーシングでは8GBのVRAMが大きな足かせとなっている様子が明らかになっています。
また、原因は不明ですが、先代のRTX 4060 Ti 8GBとの比較ではDLSSフレーム生成時の性能向上率は10%ほど出せていますが、DLSSなしの状態では32%も性能面で劣ってしまうなど最適化不足を疑われるような状態にもなっています。
RTX 5060 Tiの8GB版については古めのタイトルであれば問題にはなりませんが、ここ最近発売されたタイトルではVRAM容量がボトルネックとなる可能性が極めて高く、仮にボトルネックになった際には大幅な性能低下が避けられません。そのため、もしRTX 5060 Tiの購入を検討している場合は今後数年間使うことを考えると、間違えても8GB版は買わないようにした方がいいと言えます。
RTX5060Ti 8GB&16GB首发测评:3070Ti+DLSS4拼好帧版 | Bilibili
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