Radeon RX 9070 XT と RX 9070 が正式発表。3月6日発売で RTX 5070 Ti に迫る性能を12万円で実現?
AMDはRDNA4アーキテクチャーを搭載したRadeon RX 9000シリーズの発表会を2月28日22:00から実施し、その中でRadeon RX 9070 XTとRadeon RX 9070の2モデルが2025年3月6日に発売予定であると共に、性能そして価格などを正式発表しました。
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AMDのRDNA4アーキテクチャーはTSMC 4nmの改良版であるN4Pプロセスで製造され、今回正式発表されたRadeon RX 9070シリーズにはNavi 48 GPUが用いられています。このNavi 48 GPUではトランジスタ数が539億個で先代Navi 31に対して同等のトランジスタ数になっています。
ただ、Navi 31ではGPU本体をGCD、メモリコントローラなど一部機能をMCDと言う別ダイに分割するMCM構造であったためダイサイズは合計529mm2とかなり巨大でコスト面でも課題があったと考えられています。一方で、RDNA4世代のNavi 48ではモノリシックダイに戻っており、ダイサイズも357mm2と縮小されており省電力性やコストの観点で大幅な改善が見込まれています。
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また、GPUアーキテクチャーとしてもRDNA3に対してレイトレーシングを中心に大幅強化が行われています。と言うのもRadeonシリーズに関しては競合のNVIDIAに対してラスタライズ性能は同等か若干優れているレベルですが、レイトレーシングに関しては劣っていることが課題になっていました。そのため、AMDではRDNA4アーキテクチャーではレイトレーシングを担うコアを刷新されておりRDNA3世代のレイトレーシングコアに対して2倍程度の性能を実現しているとのことです。
グラフィックスカード モデル | Radeon RX 9070 XT | Radeon RX 9070 |
---|---|---|
内蔵GPU | Navi 48 | Navi 48 |
クラス | アッパーミドル | アッパーミドル |
Compute Unit | 64 | 56 |
Streaming Processors | 4096 | 3584 |
ベース クロック | 不明 | 不明 |
ブースト クロック | 2.97 GHz | 2.52 GHz |
VRAM仕様 | 20Gbps GDDR6 | 20Gbps GDDR6 |
VRAM容量 | 16GB | 16GB |
Infinity Cache | 64MB | 64MB |
バス幅 | 256-bit | 256-bit |
帯域幅 | 640 GB/s | 640 GB/s |
TGP | 304W | 220W |
スペックは最上位モデルのRadeon RX 9070 XTはGPUにNavi 48 GPUを備え、Compute Unitを合計64コア備え、シェーダーのStreaming Processors (SP)は4096コア備え、これらが最大2.97 GHzで動作します。また、メモリは20Gbps動作のGDDR6を256-bitのバス幅で搭載するため、容量は16GB、帯域幅は640 GB/sを発揮するほかInfinity Cacheも64MB備わるため帯域幅がボトルネックとはならないようになっています。消費電力は定格モデルが304WでPCIE8pinを2口で動作する設計になっています。
また、下位のRadeon RX 9070もGPUにはNavi 48 GPUを備えていますが、Compute Unitは56コアに減らされており、SPは3584コアになっています。また、動作クロックも最大2.52 GHzに抑えられていますが、その分消費電力は220WとRX 9070 XTに比べて大きく抑えられています。メモリに関しては上位のRX 9070 XTと全く同じになっています。
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性能に関しては、Radeon RX 9070 XTは競合のGeForce RTX 5070 Tiに対して4K解像度のアップスケーリングなしの環境ではラスタライズでは12タイトルの平均で100.25%で同等、レイトレーシングでは平均93%ほどでレイトレーシングでは劣っていますが、RTX 5070 Tiに対してトータルで-2%と同等性能と言えるレベルになっています。
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一方で、メーカー希望小売価格(MSRP)に関してはRadeon RX 9070は$549から、Radeon RX 9070 XTは$599.99からなっており競合として性能比較がされていたNVIDIAのGeForce RTX 5070 Tiの$749.99より20%安いMSRPになっています。
米ドルMSRP | 予想販売価格(円) | 実売価格(円) | |
---|---|---|---|
Radeon RX 9070 XT | $599.99 | 118,800円 | 未発売 |
Radeon RX 9070 | $549.99 | 108,800円 | 未発売 |
GeForce RTX 5070 Ti | $749.99 | 148,800円 | 163,000円~180,000円 |
GeForce RTX 5070 | $549.99 | 108,800円 | 未発売 |
この販売価格はあくまでアメリカでのメーカー希望小売価格であるため、日本では代理店手数料や輸送、為替ヘッジ等を考慮しているため実際の為替レートより高く販売されることが多くなっています。実際に、GeForce RTX 5070 Tiは$=180円+消費税と言うレートで販売されています。
そのため、このレートで日本での販売価格を計算するとRadeon RX 9070 XTは118,800円ぐらい、Radeon RX 9070は108,800円ぐらいで販売される可能性があります。
日本での販売価格などの詳細はRadeon RX 9070シリーズが発売される前日の3月5日をめどに正式発表されると考えられますが、仮に上記価格で販売されるとするとRadeon RX 9070 XTはGeForce RTX 5070 Tiの日本でのMSRPに対して20%以上安価になります。また、RX 9070 XTのMSRPモデルが日本市場でも潤沢に供給されるのであればRTX 5070 Tiの163,000円と言う実売最安値に対しては27%ほど安価になります。そのため、アッパーミドルレンジクラスのグラフィックカードとしてはコストパフォーマンスが圧倒的に優れているモデルとなり、非常に高い競争力が期待できると言えます。
また、3月1日時点ではNVIDIA製グラフィックカードはRTX 4060以外は在庫切れ状態であり、RTX 5060 Tiも抽選販売以外は受け付けられていない状態です。一方でRadeon RX 9070 XTは元々は1月末に発売予定だったことから海外では既に量販店に在庫が届いているとも言われているため、発売日時点の在庫もかなり潤沢と予想されます。
そのため、今回のRadeon RX 9000シリーズに関してはコストパフォーマンス、供給面でもNVIDIAに対してかなり優位な状態であるため現在NVIDIAが寡占しているグラフィックカード市場を大きく変えることが出来るのか、またグラフィックカードを求めるゲーマーにとっても注目、そして期待の新製品になると言えそうです。
コメント
コメント一覧 (3件)
ぶっちゃけ2%なんて誤差の範囲でしかない事を考えれば
「9070XTは5070Tiと互角」でいいと思いますよ
FSR3対応のローンチタイトルが2だったことを考えると、45はAMDにしては頑張ったなぁ
ありがとうAMD、ありがとうリサ姉、あとはアスク頑張ってね
もともとNavi48のワッパ改善の話は出てたけど、トランジスタ密度だけでいうと緑の悪魔のカードよりかなり高いよね、かなり当たり世代の予感が
絶対に購入はするけれど流通はどうなるかな、AMDは今までやらかしたことはないはずだけど……
可能なら品薄を期待させて大量に流通させるような、転売厨をバカにするような売り方をしてほしい