AMDのThreadripperについてはZen 3を採用したモデルが2021年中に発売される予定ですが、AMDではさらに進化したX3D対応モデルを2022年リリースに向けて準備しているなどThreadripper関連のリーク情報が出現しました。
今年登場のZen 3 ThreadripperやZen 4の情報が出現
AMD Ryzen Threadripper 5990X with 64 cores now rumored to launch in November – VideoCardz.com
AMDのRyzen Threadripperについては2021年中にZen 3世代を採用したThreadripper 5000シリーズがリリース予定となっていますが、今回Moore’s Law is DeadがThreadripperシリーズに関するリーク情報を手に入れたようです。リークにはThreadripper 5000シリーズの最新情報やX3D採用のThreadripperそして、Zen 4 Threadripperについて含まれています。
AMD Chagall X3D + Zen 4 Threadripper Leak: Is Lisa Su adopting Intel’s Lazy HEDT Cadence? – YouTube
Ryzen Threadripperシリーズのリークについて
Threadripper 5000(Chagall)シリーズは11月に延期へ
・最大コア数は64コア据え置きでTR5990Xがフラッグシップモデルとなる
・メモリーは4チャンネル DDR4 3200MHz
・合計64レーンのPCIe 4.0
・発売は2021年11月にされる予定(9月発売説が何度か出ていましたが延期されたようです)
・価格は現行Threadripper 3000シリーズより高くなる見込み。ただ、最終決定ではない模様
Threadripper 5000 Proシリーズは2022年1月発売見込み
・こちらも最大64コアとなり、フラッグシップモデルはTR5995WX
・8チャンネルDDR4 3200MHz
・合計128レーンのPCIe 4.0
・発売時期は2022年1月の予定
Zen 3 ThreadripperにX3D (Chagall-X)を採用したモデルが登場
AMDがダイを立体的に積み重ねたEPYC Milan-Xを準備中?
AMDではダイを積み重ねるX3D技術を採用したMilan-Xを準備しているようですが、Threadripperでも同様のモデルが導入されるようですが、詳細情報はあまり出ていないようです。
・Threadripper X3DはTRX40やTRX80マザーボードに対応できる見込みですが、AMDがどちらのプラットフォームをサポートするかは不明のようです。
・現時点では2022年下半期中にリリースされる予定ですが、詳細は不明との事。
Zen 3を採用するHPC向けCPU TrentoはThreadripperには登場しない見込み
Trentoとは米国エネルギー省などによって計画されている超大規模スーパーコンピューターに採用予定のCPUとなっており、Zen 3アーキテクチャを採用すると発表されています。このスーパーコンピューターは富岳の400PFLOPsの3倍以上の1.5EFLOPsを発揮すると見られており2021年に納入が計画されています。
・TrentoについてはIODや対応ソケットがChagallやMilan-Xとは異なるためThreadripperとしてリリースはされない
・Trento Zen 3についてはAI向けにカスタマイズされており、政府系機関にのみ納入される
Zen 4 Threadripperも96コア
Zen 4搭載EPYC Genoaは96コア192スレッド。SP5-LGA6096ソケット
Zen 4 Threadripperについては多くの情報は無く、96コアであると記載されています。
・発売は現時点では2023年Q1ではあるものの、まだ先の話のため変わる可能性は大いにあるとの事
Threadripperシリーズの発売スケジュールについて
Threadripperについては、Zen1やZen 2世代の時はデスクトップ向けRyzenが登場してから半年以内に登場していましたが、Zen 3では既に1年近く後になってのリリースとなっています。ここではその登場スケジュールについて考察がされています。
発売済みモデルのスケジュール
・Zen1 ThreadripperはZen1 Ryzenから約半年以内、EPYCの後からは2ヵ月以内に発売されています。
・Zen+ ThreadripperはZen+ Ryzenから約4か月以内に発売
・Zen 2 ThreadripperはZen 2 RyzenやEPYC登場から4か月以内に、64コア版は64コアEPYC登場から2ヵ月以内
発売予定モデルのスケジュール
・Zen 3 ThreadripperはZen 3 Ryzenから約1年、EPYC登場からは半年
・Zen 3 X3DについてはMilan-X EPYC登場から3~6ヵ月(本当にこのスケジュールで出るかは不明)
・Zen 4 ThreadripperはZen 4 Genoaから約半年以上後に登場
AMDがHEDTを急いで出す理由がイマイチ無い模様
Moore’s Law is Deadでは、RyzenやEPYC登場からThreadripperの登場までのタイミングが徐々に伸びている事について競合がいない事が原因では無いかと言及しています。Threadripper 5000については確かに半導体不足なども影響しているものの、最大の原因は競合モデルの圧倒的な不足であると言われています。実際にThreadripper 5000に対抗できる製品はIntelには存在しておらず、間もなく登場すると言われているIce Lake-SP採用したワークステーション向けXeon W-3375でも38コア/76スレッドとなっており最大64コア/128スレッドのTR3990xでも対抗できてしまいます。
AMDのこの動きに対して動画の中では”Lazy”(怠け者)になってきているのでは無いかと言及されており、性能面で頂点だった頃のIntelのようになってきていると動画は締めくくられています。
Threadripper 5000シリーズについては8月から9月に発売されるという事でしたがまた延期されてしまったようで、遂にRyzen 5000シリーズ登場から1年以上経過する11月発売となったようです。一方でThreadripper X3Dは2022年中に登場し、Zen 4 Threadripperも2023年第一四半期に登場が見込まれているため、しばらくは1年おきにThreadripperの新商品が登場していくようです。ただ、動画で言及されている通りAMDのThreadripperには明確なライバルが今は存在していないためThreadripperのスケジュールについてはあまり優先度が高くないかもしれません。
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