Nintendo Switch 2 には独自の動的アップスケーリング技術を搭載? 特許情報から判明
2025年3月までに発表が予定されている任天堂の次世代ゲーム機であるNintendo Switch 2ではハードウェアに関するリークが度々登場する一方で、肝心のソフトウェアに関しては固くガードされておりあまり多くのリークは登場していませんが、任天堂が米国特許商標庁に申請したアップスケーリングに関する特許が2024年12月31日に公表され、技術系YoutuberであるDigital Foundryが同特許情報から、Nintendo Switch 2に搭載されるアップスケーリング技術についてはDLSSとは大きく異なるものになる可能性が高いことを明らかにしています。
米国特許商標庁に申請されたのはSystem and Methods for Machine Learned Image Conversionと言うタイトルで、日本語に直訳すると『機械学習による画像変換のシステムと方法』でAIを用いたアップスケーリング技術に関連するものであることが伺えます。
Nintendo Switch 2ではNVIDIAのAmpereアーキテクチャーをベースにしたチップセットを搭載しているため、GeForce RTX 3000シリーズで利用できるDLSSなどのアップスケーリング技術が同じく利用できると言われています。そのため、Nintendo Switch 2でもDLSSとは言わないものの、このアップスケーリング技術が多用されると考えられていました。
しかし、特許についてDigital Foundryによるとアップスケーリング技術に関してはNintendo Switch 2の省電力チップセットに最適化された設計が行われているとのことでDLSSとは異なる技術が使われている可能性があるようです。特に、特許の説明には一般的なアップスケーリングは演算能力や帯域幅を多く占有するものの、任天堂が新たに特許申請した方法では省電力チップ上で120分の1秒から160分の1秒で処理が完結するように設計されているとのことです。
DLSSと大きく異なる技術としてアップスケーリングに用いるモデルをリアルタイムで切り替える機能が備わるようです。この機能はゲームエンジンから得られるデータを基にしており、一定のフレーム時間予算内にグラフィクス描写が出来ない場合は低品質なアップスケーリングモデルを使い、その逆であれば高品質なアップスケーリングモデルを使うことで、グラフィクス描写品質とフレームレートの安定性を確保するという仕組みになっています。
アップスケーリングに関連する技術についても特許内では触れられており、その中で興味深いのがファイルサイズ削減を目的としたクラウド処理技術で、例えば元々PlayStation 5 (PS5)やPCなど4Kを視野に入れて開発された60GBのゲームファイルに関して1080p程度の出力しか行わない場合は20GBなどにテクスチャーなどを圧縮し、それらを各デバイスに配信するなどNintendo Switch 2の負荷を下げるために様々なオプションが検討されている様子が伺える内容になっています。
逆に言えば、Nintendo Switch 2に関してはハードウェア性能が上がっているものの、アップスケーリング技術を多用しなければPS5など現行世代のゲーム機に展開されるタイトルを動作させることはできないという可能性もあります。仮にこのようなアップスケーリングを多用する場合、開発者へ負担が発生する可能性もありますが、発生する場合はPS5やXBOX、PCなどで展開されるマルチプラットフォームのタイトルでNintendo Switch 2のみに展開されないという可能性も出てくるため、今後このアップスケーリング技術などの詳細についても注目が集まりそうです。
Nintendo’s Switch 2 Upscaling Patent Explained: More Than Just DLSS? | Digital Foundry
コメント