Ryzen 7 9800X3Dの品薄は年央まで続く見通し。Intel製品の不振も原因
AMDのRyzen 7 9800X3Dは従来のRyzen 7 7800X3Dに対してアーキテクチャー刷新や構造変更による高クロック化を実現したことで、ゲーミング性能の大幅向上を実現し、その結果、11月に発売されて以来、世界各国で品薄状態が続いている状態になっています。そんなRyzen 7 9800X3Dですが、CES 2025で開催されたインタビューセッションにて、AMD幹部がRyzen 7 9800X3Dの今後の供給状況や品薄に陥った理由についてTom’s HardwareがAMDの幹部へインタビューを行っています。
供給状況に関しては、Ryzen 7 9800X3D発売以降、先代のRyzen 7 7800X3D含めて品薄状態が続いている状態になっていますが、今後の供給状況については以下の通り述べています。
We have been ramping our manufacturing capacity, or the monthly, quarterly output of X3D parts, period, and that’s 7000 [series] as well as 9000X3D.
It’s crazy how much we have increased over what we were planning. I would say the demand we’ve seen for the 9800X3D and the 7800X3D has been unprecedented. So the demand has been higher than ever.
AMD Marketing Manager -David McAfee
Ryzen 9000X3DならびにRyzen 7000X3Dシリーズについては供給拡大に向けて増産を進めているものの、Ryzen 7 9800X3DやRyzen 7 7800X3Dの需要は想像を遥かに超えている状態とのことです。また、今後Ryzen 9 9950X3DやRyzen 9 9900X3Dなど上位モデルも発売されますが、これらのモデルはRyzen 9000X3Dシリーズの中で10%ほどのシェアしか得られない見込みで、Ryzen 7 9800X3Dの需要を下げるほどの効果は無い見込みです。
Building a traditional semiconductor, it’s basically 12 to 13 weeks from when you start a wafer to when you get a product out the other end of the machine, The [3D V-Cache] stacking process adds time to that, and so it’s longer than a quarter horizon [three months] to really ramp output of those products. And so we’re working very, very hard to catch up with demand. I think as we go through the first half of this year, you’ll see us continue to increase the output of X3D.
AMD Marketing Manager -David McAfee
なお、Ryzen 7 9800X3Dは増産しているものの、すぐに製品として供給ができる訳ではなく、一般的にウェハー状態から製品になるまで12~13週間ほどのリードタイムが必要となります。また、Ryzen 7 9800X3Dのような3D V-Cache製品ではさらに時間が必要となるため、増産決定から実際に商品が出荷されるまでに3か月以上必要となります。そのため、現時点の予測では2025年上半期終わりごろにはRyzen 9000X3Dシリーズの入手性が改善する予定であることを明らかにしています。
We knew we built a great part. We didn’t know the competitor [Intel] had built a horrible one, So the demand has been a little higher than we forecasted.
Consumer and Gaming Marketing Frank Azor
なお、そもそもAMDとしてなぜ需要見通しを誤ってしまったかについてですが、Frank Azor氏はAMDとしては非常にいい製品を作ったが、競合(Intel)が酷い製品を作ってしまった。そのため、需要が予測を上回ることとなったことも明らかにしています。そのため、Intel Arrow Lake-S (Core Ultra 200S)が予想以上に低いパフォーマンスであったことから多くのユーザーがAMDのRyzen 7 7800X3DやRyzen 9 9800X3Dに流れてきたようです。
2025年1月終わりごろにはGeForce RTX 5000シリーズやRadeon RX 9000シリーズなど新しいグラフィックカードも登場するため、ゲーミングPCの構築を検討しているユーザーにとってはRyzen 7 9800X3Dの入手性は気になるところです。ただ、現状は2025年上半期終わり、つまり5月ぐらいまでは入手性が大きく改善されない可能性があるためゴールデンウイークぐらいまでは入手困難であると言えそうです。
AMD says Intel’s ‘horrible product’ is causing Ryzen 7 9800X3D shortages | Tom’s Hardware
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