GeForce RTX 5090 と中国専用 RTX 5090D は同じCUDAコア数に。ソフトウェアロックで輸出規制に対応?

  • URLをコピーしました!
目次

GeForce RTX 5090 と中国専用 RTX 5090D は同じCUDAコア数に。ソフトウェアロックで輸出規制に対応?

NVIDIAは2025年1月開催のCES 2025で、GeForce RTX 5090やRTX 5080などのハイエンドモデルを発表し、同月中に発売する予定とされています。この中でも最上位モデルのRTX 5090は21,760コアのCUDAコアを搭載するほか、28Gbpsで動作するGDDR7メモリを512-bitのバス幅で32GB搭載しており、ゲーミング向けというよりはエンタープライズ向けGPUと言えるスペックになっています。

そんなRTX 5090ですが、NVIDIAは現行のRTX 4090Dと同様に、アメリカの輸出規制が適用される中国専用モデルであるRTX 5090Dを用意する見込みです。NVIDIAでは製造コスト削減のため、RTX 5090とRTX 5090Dについてスペック差を設けず、ソフトウェアロックという形で輸出規制に対応する可能性が出てきています。

アメリカが導入しているグラフィックスカードなどの輸出規制はTotal Processing Power (TPP)と呼ばれる数値が4800を超えると規制対象となります。このTPPの計算式は、特定のビット数での計算性能に対してそのビット数を乗算するもので、RTX 4090の場合はFP8が660 TFLOPsに8ビットを乗算してTPPは5285となり、4800を超えてしまいます。そのため、RTX 4090DではFP8性能を抑えることで588 TFLOPsに調整し、TPPを4707と4800を下回る数値にしました。

一方、RTX 5090ではCUDAコアが21,760コアで動作クロックは最大3.0 GHzになると言われているため、RTX 4090と同じコア構成であればFP8性能は1045 TFLOPsとなり、TPPは8358と4800を大幅に超過します。

そのため、コア数の無効化など何らかの対策を行わなければ中国への輸出は困難ですが、RTX 5090Dに関してはリーカーのpanzerlied氏が通常版のRTX 5090と仕様や動作クロックが全く同じであることを明らかにしています。

Panzerlied氏はNVIDIAがどのようにしてRTX 5090Dが規制を満足させているのかまでは述べていませんが、恐らくNVIDIAはハードウェアはRTX 5090と全く同じにしつつ、RTX 5090Dではソフトウェア側でコア数を一部無効化するか、TPPを超える原因となるFP8より下の計算を無効化する可能性があります。これにより、ゲーミング性能に関してはRTX 5090とほとんど変わらない性能を実現する方向で開発が進められていると考えられます。

NVIDIAはGPUにソフトウェアロックを追加することを、GeForce RTX 3000シリーズの時に実施しており、この時はEthereumマイニングを認識して性能を大幅に制限することが行われていました。ただし、このLHRに関しては初期のものでは開発用ドライバーをうっかり公開してしまったために解除可能になってしまったり、その後1年後には不正に解除する方法が見つかるなど、完全に防げる方法ではないことが確かです。特にRTX 5090DをAI目的に使用するユーザーには個人のほかに企業や中国政府関係者も存在するため、RTX 5090Dがソフトウェアロックで性能を制限しても、いずれかのタイミングで解除されてしまうと考えるのが自然です。そのため、万が一この制限が解除され、それがアメリカ政府(2025年2月からはトランプ政権)に発見されてしまえば、制裁を受けるのは間違いないと言えます。NVIDIAがRTX 5090Dについてどのような処置をしてTPP規制を満たすのか、注目が集まりそうです。

ソース

[显卡] NVIDIA RTX 5090 D 确认 | Chiphell

https://www.chiphell.com/thread-2654114-1-1.html

  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
幼い頃から自作PCなどに触れる機会があり、現在は趣味の1つに。
高い買い物でもある自作PCやガジェットをこれから買おうと思ってる人の役に立てるような記事を提供できるよう心がけています。
プロフィールはこちら

コメント

コメント一覧 (1件)

コメントする

目次