サムスンが次世代 Exynos チップセット を TSMC で製造することを検討中?
サムスンのファウンドリー事業は、TSMCに対抗するために3nmや2nmなどの最先端プロセスの開発を進めており、TSMCに対抗できる唯一の企業と見られていました。しかし、TSMCが量産化と商業的に3nmを成功させている一方で、サムスンの3nmプロセスはTSMCよりも早く量産化に至ったものの、歩留まりが低いまま改善できず、最終的に顧客を獲得できないなど商業的には失敗に終わっています。
この反省を活かして、サムスンは第二世代3nmの開発に乗り出し、Exynos 2500など自社製品に採用するチップセットを皮切りに顧客獲得を行う予定でしたが、歩留まりが20%を超えることができず、Exynos 2500自体がお蔵入りになるなど、歩留まり向上にかなり苦しんでいる様子が明らかになっています。
そんなサムスンのファウンドリー事業ですが、Exynos 2600などの次世代チップセットをサムスンファウンドリーではなくTSMCで製造する可能性が検討されていることがリークで明らかになりました。
Twitterで活動するリーカーのJukanlosreve氏によると、サムスンは次世代Exynosを同社製ファウンドリーからTSMCで製造することを検討しているとのことです。
サムスンの第3四半期決算では、スマートフォン部門の営業利益が15%減益を記録しており、その主な理由は部品コストの高騰や中国勢など競争環境の激化であると見られています。ただし、2025年に発売予定のGalaxy S25シリーズでは、チップセット価格が非常に高価なSnapdragon 8 Eliteを全面的に採用せざるを得ない状況で、ファウンドリーの失敗がスマートフォン事業の収益性を足を引っ張ることが予想されます。また、ファウンドリー事業などが含まれる半導体部門は前年同期の赤字から黒字に転換できていますが、その利益の大部分はメモリー半導体事業が稼ぎ出していると言われており、アナリストからもファウンドリー事業は同社の足を引っ張っていると批判を受けています。
そのため、サムスンとしてはExynos 2600など次世代チップセットで採用予定の先端プロセスが使えない場合、最終手段としてTSMCに委託することを検討していても不思議ではないと言えます。特にQualcommのSnapdragon 8シリーズの価格が毎年値上がりしている状況からすると、TSMCに委託しても自社開発であるためSnapdragon 8を採用するよりは安上がりになると言えます。また、サムスンと同じく自社ファウンドリーを持つIntelも、自社ファウンドリーの先端プロセスが完成するまでの繋ぎとして一部製品をTSMC製に切り替えているため、サムスンも同様のことを検討していても不思議ではありません。
Jukanlosreve | X (Twitter)
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