iPhone 16とiPhone 16 Proの性能判明。Apple A18 ProはA17 Proに対して8%向上
Appleが9月に発売するiPhone 16とiPhone 16 ProにはTSMCの第2世代3nmプロセス(TSMC N3E)で製造されるApple A18およびA18 Proチップセットが搭載されます。これらは、iPhone 15 ProのCPUに対して15%の性能向上、システムメモリの帯域幅が20%の向上、GPUではレイトレーシング性能を中心に2倍の性能向上が謳われています。今回、この2つのモデルに搭載されるApple A18とA18 ProのGeekbench 6ベンチマーク結果が公開されました。
Apple A18とA18 Proは共にTSMC 3nmプロセスで製造されており、両モデルともCPUは2P+4Eの合計6コア構成です。Apple Intelligenceなどで使用されるNeural Engineも16コアを搭載しています。一方、GPUコアはA18が5コアであるのに対し、A18 Proは6コアと増強されており、若干の差別化が図られています。
ベンチマーク結果によると、A18はシングルコアで3018ポイント、マルチコアで6666ポイントを記録しています。A18 Proは、シングルコアで3114ポイント、マルチコアで7751ポイントを記録しています。
今回明らかになったGeekbench 6スコアはCPU性能を計測するもので、A18とA18 Proは同じコア数と動作クロック(共に4.04 GHz)を持つため、スペック上ではスコアが同等レベルになるはずですが、A18 ProのマルチコアスコアがA18に対して16.3%高くなっています。
この違いについては、iPhone 16 Proはチップセットやバッテリーからの発熱を効率よく放熱するために内部設計が変更されており、先代iPhone 15 Proに対して最大20%のパフォーマンス持続が可能になっています。そのため、発熱がより大きいマルチコア処理では性能差が顕著になっていると考えられます。
チップセット | 搭載モデル | シングルコア | マルチコア |
---|---|---|---|
A18 Pro | iPhone 16 Pro/Pro Max | 3018 | 7751 |
A17 Pro | iPhone 15 Pro/Pro Max | 2896 | 7193 |
A18 | iPhone 16 / Plus | 3114 | 6666 |
A16 Bionic | iPhone 15 / iPhone 14 Pro | 2541 | 6327 |
歴代iPhoneのチップセットと比較すると、iPhone 16 ProのA18 Proは先代のA17 Proに対してシングルコアで4%、マルチコアで8%の向上を記録しています。しかし、動作クロックを見ると、A17 Proの3.8 GHzに対してA18 Proは4.04 GHzと約7%向上しているため、IPCでの性能向上はわずかで、主に動作クロックの向上により性能を引き出しているように見受けられます。
iPhone 15 ProのA17 Proは、iPhone 14 Pro搭載のA16 Bionicに対してシングルコアで11%、マルチコアで7.5%の向上を記録していました。今回のA18 Proでは、特にシングルコアの性能向上が小さくなっている点が目立つ結果となっており、今後の他のベンチマークでどのような傾向が見られるかが注目されます。
Apple A18 ProとA18のCPU性能は、シングルコア、マルチコア共にあまり大きな伸びが見られません。一方で、発表会での公称値ではバッテリー持続時間が先代モデルより延長されているため、省電力化に焦点を当てた変更になっている可能性があります。
これまでApple Siliconは性能をアピールしないものの、競合のSnapdragon 8より非常に高いパフォーマンスを発揮してきました。しかし、A17 Pro以降は両社の差が縮まる傾向にあります。今年発売予定のSnapdragon 8 Gen 4については、A18 Proを超える性能を発揮する可能性があると考えられます。
iPhone 16 Pro (Apple A18 Pro) | Geekbench 6
https://browser.geekbench.com/v6/cpu/7706814
iPhone 16 (Apple A18) | Geekbench 6
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