AMDがデスクトップ向けRyzen CPUにNPU搭載を示唆。販売価格は上がらず?
AMDでは、2024年末から2025年にRDNA4アーキテクチャを次世代ゲーミング用グラフィックスカードに搭載したRadeon RX 8000シリーズの発売を予定しています。ドイツで開催されている家電市のIFA 2024にて、AMDのグラフィックス部門本部長であるJack Huynh氏が、最近セグメント問わず話題になっているNPUについてAMDが検討していることを、Digitaltrendsとのインタビューで明らかにしました。
Huynh氏は同じインタビューで、Radeon RX 8000シリーズではNVIDIAとグラフィックス性能を追い求めた頂上決戦がRadeonのシェアに好影響を与えていないことから、競争から降りることを明言しました。今後はミドルレンジモデルに焦点を当てることも明らかにしています。このインタビューに関連して、AMDがノートPC向けAPUで導入している機械学習処理ユニットである『NPU』をデスクトップ向けへの導入についても語っています。
Huynh氏によると、近年重要性が増しているNPUについては、今後はフラッグシップの『ゲーミングチップ』にもNPUを組み込むことを予定しているそうです。このインタビューで言われている『ゲーミングチップ』が具体的にCPUに組み込まれるのか、次世代グラフィックカードのRadeon RX 8000シリーズに組み込まれるのかは明確にはしていません。ただ、その後の回答で、NPU搭載に伴い『CPU』のパフォーマンスを下げたり、販売価格を上げることがないよう細心の注意を払って設計が行われていると明言しているため、恐らくこのゲーミングチップはRyzen CPUのことを指しているように見られます。
このNPUを搭載することで、GPUの負担を一部軽減し、フレームレート向上に寄与することが予想されるとのことです。ミドルレンジ向けグラフィックスカードと組み合わせることで、より高いグラフィックス・パフォーマンスが期待できるようになりそうです。
なお、AMDではすでにEpic GamesやActivisionなど大手のゲームデベロッパーとNPUの活用方法や機能などについても話を進めているそうで、NPU導入時にはゲームなどで活用されるように進めていることも明らかにしています。
AMDではNPUを搭載するCPUは、ノートPC向けのRyzen AI 300シリーズのみで、現時点ではデスクトップ向けに強力なNPUを搭載したモデルは導入されていません。ただ、Ryzen CPUではCPUを構成するCCDとグラフィックスやI/O関係を内蔵するI/Oダイが分かれているため、今後このI/Oダイに手を加えることで、例えばRyzen 9000シリーズのマイナーチェンジモデルなどでNPUを搭載するということも考えられそうです。
現時点でNPUの活用方法は、Copilot+や一部のアプリケーションのみでしか活用されていませんが、今後ゲーミング、例えばNPCの処理やアップスケーリングなどでもNPUが活用されるようになれば、デスクトップ向けCPUでNPUを搭載する意義があると言えます。AMDがどのような製品を投入しようとしているのか注目です。
AMD confirms plans to not play ‘king of the hill’ with Nvidia | Digitaltrends
https://www.digitaltrends.com/computing/amd-confirms-next-gen-gpu-plans
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