AMD Ryzen 9 9900XのPassmarkスコアが登場。Core i7-14700Kと同等性能で電力効率は57%上回る結果に
AMDは2024年8月15日にZen 5アーキテクチャーを搭載するデスクトップ向けハイエンドモデルのRyzen 9 9900Xを発売します。今回、このRyzen 9 9900XのPassmarkスコアが登録され、より多くの消費電力を使うIntel Core i7-14700Kを超えるマルチコア性能と、Core i9-14900Kに迫るシングルコア性能を発揮したことが明らかになりました。
Ryzen 9 9900Xは8コア中6コアが有効化されたCCDを2基搭載することで12コア、24スレッド構成となり、キャッシュ容量はL2キャッシュが12MB、L3キャッシュが64MBで合計76MB、動作クロックはベースが4.4GHz、ブースト時の最大は5.6GHzに設定されたハイエンドCPUです。ただし、消費電力であるTDPは120W、ブースト時の最大消費電力であるPPTは162Wに設定されています。
Ryzen 9 9900Xのシングルコア性能はPassmark上で4652ポイントを獲得し、マルチコアでは53863ポイントを記録しています。
シングルコア性能は先代のRyzen 9 7900Xと比べると9%向上しており、Core i9-14900Kに対しては1.4%劣るレベルまで迫るなど非常に高いシングルコア性能を持っています。
マルチコア性能は先代のRyzen 9 7900Xと比べると4%と大きな伸びは記録されていませんが、8P+12E構成のCore i7-14700Kに対して同等レベルの性能を記録しています。絶対的な性能でみると先代モデルに対してPassmarkスコアはあまり大きく伸びていませんが、消費電力に関してはRyzen 9 9900Xは最大162Wで動作するため、先代で最大230Wで動作するRyzen 9 7900Xに対しては電力効率が47%向上し、最大253W消費するCore i7-14700Kに対しては57%向上するなど電力あたりの効率が大幅に向上していることが明らかになっています。
AMDのRyzen 9 9900Xは最大162Wということで安価な空冷クーラーでも十分な性能を発揮でき、取り回しが非常に良いと言えます。価格は88,800円で発売予定で、Core i7-14700Kより2.5万円ほど高価ではありますが、高い電力効率を背景にした取り回しの良さが魅力的です。発売直後のご祝儀価格が収まれば、比較的人気が出そうなモデルになるでしょう。
ベンチマークではCPUにかかるワークロードによって得意不得意があります。Passmarkに関しては、Ryzen 9 9900Xは先代モデルに対してあまり大きく向上していないように見えますが、消費電力が下がっているにもかかわらず性能は同等以上を発揮できているため、電力効率が大きく向上しています。特にTDP 120W、PPT 162Wは空冷クーラーでもサーマルスロットリングが起きにくいと言え、SFFサイズのPCなどスペースに制約があるPCでも高性能なハイエンドCPUの搭載が可能になるでしょう。
AMD Ryzen 9 9900X | Passmark
https://www.cpubenchmark.net/cpu.php?cpu=AMD+Ryzen+9+9900X&id=6171
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