Zen 5を128コア搭載するEPYC 9755のCPU-Zベンチマーク登場。世界新記録を達成
AMDは、Zen 5アーキテクチャを採用したサーバー・データセンター向け製品のEPYCシリーズであるEPYC Turinを近々正式に発表する予定ですが、今回、Zen 5コアを合計128コア搭載したEPYC 9755のベンチマークが登場し、CPU-Zベンチマークにおいて世界最高記録を樹立しました。
AMD EPYC 9755は、Zen 5を8コア内蔵するCCDを合計16基備えたCPUで、L1キャッシュが合計10MB、L2キャッシュが128MB、L3キャッシュが512MBと、CPU全体で650MBのキャッシュ容量を持っています。また、動作クロックはベースが2.7 GHz、ブースト時は最大4.1 GHzに設定され、TDPは最大500Wです。
EPYC 9755は、CPU-Zにてシングルコアで653.7ポイント、マルチコアでは108,093ポイントを記録しました。
CPU | コア構成 | CPU-Z マルチコアスコア |
---|---|---|
EPYC 9755 | Zen 5 | 128C/256T | 108,093 |
EPYC 9654 | Zen 4 | 96C/256T | 95,002 |
EPYC 9754 | Zen 4c | 128C/256T | 68,803 |
Ryzen Threadripper Pro 7955WX | Zen 4 | 96C/192T | 62,620 |
EPYC 9755で記録されたスコアは、定格状態で計測されたCPUとしては世界最速と言えますが、先代のEPYCで最も高い性能を誇るEPYC 9654に対しては、13%の向上にとどまっています。これはコア数が33%増加した割にスコアの伸びが小さいためです。原因としては、今回CPU-Zで計測されたCPUがES品であり、全コア動作時のクロックがあまり高くなかったことが考えられます。そのため、製品版ではさらに高い性能が期待できます。
シングルコアの性能については、先代のEPYC 9654が519ポイントだったのに対し、EPYC 9755では653.7ポイントを記録し、26%の大幅な性能向上を見せました。これは、動作クロックがEPYC 9755で3.7 GHzから4.1 GHzに大幅に上がったことに加え、Zen 4からZen 5へのアーキテクチャ刷新が要因です。
AMDは、このZen 5を搭載するEPYCを2024年中に投入する予定で、今後のベンチマークなどで非常に高いスコアが期待されます。また、このEPYC TurinをベースにしたThreadripper 8000シリーズ(Shimada Peak)が2025年中に投入されると言われています。このThreadripper 8000シリーズは、EPYCより高い動作クロックを持ち、オーバークロックも可能であるため、発売された際には定格でも驚くようなパフォーマンスが期待でき、オーバークロック時には15万から20万ポイントという驚異的なスコアを記録するかもしれません。
结城安穗-YuuKi_AnS | X (Twitter)
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