AMD Ryzen 9 9900Xのゲーミング性能が判明。Ryzen 7 7800X3Dに劣るも消費電力と温度は低め
AMDではZen 5アーキテクチャーを採用するデスクトップ向けCPUを7月31日にグローバルで発売予定となっていますが、レビュー含めた解禁はその前日ぐらいになると見られています。しかし、イタリアのYoutuberが発売前のRyzen 9 9900Xを入手し、ゲーミング時のパフォーマンスについてRyzen 7 7800X3Dと比較した結果を明らかにしています。
今回ゲーミング時のパフォーマンスが計測されているRyzen 9 9900Xは6コアのCCDを2基搭載し、合計12コア24スレッドで構成されたCPUで、ベースクロックは4.4 GHz、ブースト時は最大5.6 GHzで動作します。また、キャッシュ容量はL2が12MB、L3が64MBで合計76MBとなりますが、TDPは120Wに設定されています。
一方で、比較対象となるRyzen 7 7800X3DはZen 4に3D V-Cacheを搭載した単一CCD搭載の8コアCPUで、ベースクロックは4.4 GHz、ブースト時は最大5.6 GHzでRyzen 9 9900Xと同じです。キャッシュ容量はL2が8MB、L3が96MB (32MB+64MB)で合計104MBで構成されています。また、TDPもRyzen 9 9900Xと同じく120Wに設定されています。
ゲーミング時のパフォーマンス計測は1080p、1440p、2160pでGIGABYTE X670 AORUS Elite AXマザーボードとDDR5-7200メモリー、グラフィックカードにはGeForce RTX 4090が用いられています。
ゲーミングパフォーマンス結果
ゲーム | Ryzen 9 9900X (平均FPS) | Ryzen 7 7800X3D (平均FPS) | 差異 |
---|---|---|---|
Alan Wake 2 (1080 Ultra) | 176.9 | 175.2 | +1.00% |
Alan Wake 2 (1440 Ultra) | 123.7 | 122 | +1.39% |
Cities Skylines 2 (1080 Ultra) | 70.3 | 86.9 | -19.1% |
Cities Skylines 2 (1440 Ultra) | 66.3 | 77.6 | -14.5% |
COD: Warzone 2 (1080 Competitive) | 249.1 | 249.7 | -0.02% |
COD: Warzone 2 (1440 Competitive) | 248.8 | 249.6 | -0.03% |
CS2 (1080 Competitive) | 346.8 | 376.1 | -7.7% |
CS2 (1440 Competitive) | 344 | 373.1 | -7.7% |
Cyberpunk 2077 (1080 Ultra) | 165.2 | 191.1 | -13.5% |
Cyberpunk 2077 (1440 Ultra) | 139.1 | 150.5 | -7.5% |
Fortnite (1080 Competitive) | 320.3 | 371.4 | -13.7% |
Fortnite (1440 Competitive) | 315.2 | 332.8 | -5.28% |
平均FPSに関して、CPUの影響を受けやすい1080pや1440p解像度においてはRyzen 9 9900XはRyzen 7 7800X3Dに対して平均すると-6.5%ほど劣っている状況で、特にCPUへ負荷が高いCities Skylines 2などでは-19.1%などRyzen 9 9900Xの方が大きく劣る場面が見られています。
ゲーム | Ryzen 9 9900X (下位1% FPS) | Ryzen 7 7800X3D (下位1% FPS) | 差異 |
---|---|---|---|
Alan Wake 2 (1080 Ultra) | 137.1 | 143.6 | -4.5% |
Alan Wake 2 (1440 Ultra) | 105.2 | 106.9 | -1.5% |
Cities Skylines 2 (1080 Ultra) | 43.7 | 42.3 | +3.3% |
Cities Skylines 2 (1440 Ultra) | 44.4 | 43.4 | +2.3% |
COD: Warzone 2 (1080 Competitive) | 209.2 | 216.2 | -3.2% |
COD: Warzone 2 (1440 Competitive) | 204.2 | 212.2 | -3.7% |
CS2 (1080 Competitive) | 161.8 | 190.5 | -15.0% |
CS2 (1440 Competitive) | 154.9 | 189.3 | -18.1% |
Cyberpunk 2077 (1080 Ultra) | 93.5 | 122.3 | -23.5% |
Cyberpunk 2077 (1440 Ultra) | 91.8 | 99.7 | -7.9% |
Fortnite (1080 Competitive) | 230.4 | 301.6 | -23.6% |
Fortnite (1440 Competitive) | 213.9 | 255.1 | -16.1% |
CPUがボトルネックになっている際に低下しやすい下位1%のFPSについても、Ryzen 7 7800Xの強さが目立つ結果になっており、Ryzen 9 9900Xは平均すると-14%ほど劣る結果になっています。
ただし、Ryzen 9 7900XとRyzen 7 7800X3Dを比べた際には平均FPSは14%ほど劣っていましたが、Ryzen 9 9900Xではこの差が-6.5%まで縮められているため、Ryzen 9 9900Xのゲーミング性能は確実に上がっていると言えます。
Ryzen 9 9900Xの消費電力と温度は低め
Ryzen 9 9900Xは先代のRyzen 9 7900XからTDPが160Wから120Wに大きく減らされていますが、ゲーミング時の消費電力は最大111W、平均102Wと低めで温度は最大66℃だったとのことです。そのため、空冷でも扱いやすいCPUであることは確実と言えます。
なお、今回のゲーミング時のパフォーマンス計測はBIOSなどが製品発売時点のものと異なっている可能性があるため、レビューが正式に解禁された際の結果と異なる可能性があります。ですので、あくまで参考レベルに捉えて置く必要があります。
Ryzen 9000シリーズででは全体的に性能が上がっているため、今回のベンチマークではRyzen 7000シリーズを大きく上回るゲーミング性能を発揮しています。ただ、3D V-Cacheの効果はすさまじくRyzen 7 7800X3Dと比べると劣って見えますが、Ryzen 9 9900Xは各CCDが6コア構成でRyzen 7 7800X3Dと比べると不利な面もあるため、Ryzen 7 9700Xで同じ比較をするとRyzen 7 7800X3Dとの差は縮まる事が予想されます。
RYZEN 9 9900X – LA RECENSIONE “GAMING” | SaddyTech Youtube
コメント
コメント一覧 (2件)
9800X3Dはそこまでかな~と思ってたけどこのテンションだと結構よくなってる可能性が微レ存…?
30fps出ていれば十分なCities Skylines 2 を
画面のfpsで比較されてもなぁ。
プレイ上より重要でよりCPUによる差異も大きい
内部シミュレーション速度の方で比較してほしい所。