AMD RDNA4で採用されるレイトレーシング機能が判明。PS5 Proが最初に採用し、そのあとRadeon RX 8000シリーズに展開
AMDは次世代GPUアーキテクチャーとしてRDNA4 GPUを開発しているとされています。このRDNA4ではNVIDIAに遅れを取っていたレイトレーシング性能を大きく向上させることに焦点を当てており、デスクトップ向けグラフィックスカードのRadeon RX 8000シリーズのほか、ソニーのPlayStation 5 Proにも搭載される予定です。そんなRDNA4アーキテクチャーについて、リーク情報から搭載されるレイトレーシング機能の詳細が明らかになりました。
Some of the new RT features coming with gfx12/RDNA4. Most if not all of these should be in the PS5 Pro too 🙂 pic.twitter.com/AO5HaxJlMK
— Kepler (@Kepler_L2) July 21, 2024
Kepler_L2氏が入手した資料には、RDNA4アーキテクチャーで強化されるレイトレーシング機能について記載されており、以下の機能が強化されるとのことです。
- ダブル・レイトレーシング・インターセクト・エンジン
- RTインスタンス・ノード・トランスフォーム
- 64バイト RTノード
- レイトレーシングのトライペア最適化
- BVHフットプリント改善
- OBBとInstance Node IntersectionのRTサポート
これらの強化点について具体的な説明はないものの、名称から判断すると「ダブル・レイトレーシング・インターセクト・エンジン」は光線の交差判定を並列で行うことを示唆しています。また、「RTインスタンス・ノード・トランスフォーム」「64バイト RTノード」「OBBとInstance Node IntersectionのRTサポート」では、レイトレーシング処理においてオブジェクトの管理方法を合理化し、VRAM使用量を減少させる可能性があります。これにより、レイトレーシング性能を向上させつつ、リソースの効率化が図られているようです。
AMDのRDNA3ではラスタライズ性能はNVIDIAのGeForce RTX 4000シリーズに搭載されているAda Lovelaceと同等の性能を示していましたが、レイトレーシング性能には大きな差がありました。そのため、今回RDNA4で強化されるレイトレーシング機能により、Ada Lovelaceを超えるだけでなく、NVIDIAの次世代GPUであるBlackwellアーキテクチャーにどこまで迫れるか注目が集まります。
RDNA4アーキテクチャーを採用する初めての製品は、現時点では2024年11月に発売が予定されているPlayStation 5 Proになると見られています。もともとデスクトップ向けRadeon RX 8000シリーズは2024年秋ごろの発売が予定されていましたが、2025年1月以降に延期されるとのことで、PS5 ProがRDNA4を最初に搭載する製品になる見込みです。
AMDのRadeonは、NVIDIAに対してラスタライズ性能では同等レベルに達していますが、レイトレーシング性能は依然として遅れを取っています。そのため、レイトレーシング性能の強化はNVIDIAのグラフィックスカードに対抗するために必要不可欠な機能です。RDNA4アーキテクチャーでAda Lovelaceやその次のBlackwellにどれだけ差を縮められるか注目が集まります。
特にRadeon RX 8000シリーズではミドルレンジモデルが中心になると言われているため、レイトレーシング性能が大きく向上すれば、コストパフォーマンスの観点でもアピールしやすくなります。これにより、NVIDIAのミドルレンジ製品であるRTX 5060などから顧客を奪うことが可能になり、ここ最近人気が落ちているRadeonの復活のきっかけになるかもしれません。
Kepler_L2 | X (Twitter)
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