Googleがお蔵入りにしたPixel Foldの写真がリーク。本当は2022年初頭発売だったがトラブル多すぎで仕切り直しに?
Googleでは初の折り畳み式スマートフォンを2023年7月にGoogle Pixel Foldとしてはじめて発売しましたが、この当時は競合のサムスンをはじめとする多くの企業が折り畳み式スマートフォンをラインアップするなど、Google Pixelの折り畳み式スマートフォンのラインアップ化はかなり出遅れたと言えます。
ただ、Googleでは元々、競合企業と同じぐらいのタイミングでGoogle Pixelを準備していたようで、当初は2021年末から2022年初頭にかけて発売されるはずだったGoogle Pixel Foldの試作品モデルの写真がリークしました。
このお蔵入りとなったPixel Foldについては試作品が存在するという事は明らかにされていましたが、それ以外の情報はありませんでした。しかし、海外のXDA掲示板にこの試作品と見られるモデルの本体写真と共にスペックに関する情報が掲載され、その詳細が明らかになりました。
このお蔵入りになったPixel Foldは『pipit』と言うコードネームが与えられており、筐体デザインは2021年終わりに発売されたPixel 6に似た全幅に渡るシームレスなカメラバイザーを備えたデザインになっています。Googleはカメラバイザーのデザインを世代間で統一を図っているため、今回のpipitに関してはPixel 6に近い時期に発売する事を計画していたことが伺えます。
なお、写真でカメラバイザー上部がカーボン柄になっていますが、こちらはユーザーが勝手に追加した追加スキンのようで、オリジナルはカメラバイザー下部と同じくマットテクスチャーのガラスになっています。
モデル | メインカメラ | 超広角カメラ | 望遠カメラ | セルフィーカメラ(外側) | セルフィーカメラ(内側) |
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Pixel Fold Proto (Pipit) | Sony IMX363 (12 MP) – 1/2.55” | Sony IMX386 (12 MP) – 1/2.9″ | – | Sony IMX355 (8 MP) – 1/2.8” | Sony IMX355 (8 MP) – 1/2.8” |
Pixel Fold (2023) | Sony IMX787 (48 MP) – 1/2″ | Sony IMX386 (12 MP) – 1/2.9″ | Samsung 3J1 (11 MP) – 1/3″ | Samsung 3J1 (11 MP) – 1/3″ | Sony IMX355 (8 MP) – 1/2.8” |
Pixel 6a | Sony IMX363 (12 MP) – 1/2.55” | Sony IMX386 (12 MP) – 1/2.9″ | – | Sony IMX355 (8 MP) – 1/2.8” | – |
Pixel 7a | Sony IMX787 (64 MP) – 1/1.73″ | Sony IMX712 (13 MP) – ~1/3″ | – | Sony IMX712 (13 MP) – ~1/3″ | – |
pipitのカメラに関してはあまり高い性能を持っておらず、メインカメラはPixel 3ではじめて搭載された12MPのIMX363を搭載するなどハイエンドモデルとしてラインアップされるはずが、エントリーモデルのPixel 6aとほぼ同じセンサーを搭載しています。また、望遠カメラは備えていないなど、カメラのスペックに関しては難ありな仕様になっています。
チップセットに関してはPixel 6世代と言う事で初代TensorとExynos Modem 5123を搭載しています。
pipitの外側ディスプレイは66x128mmと言う大きさになっており、Pixel Foldの67x130mmと比べると僅かながら小さくなっています。一方で内側ディスプレイはpipitとPixel Foldでは全く同じディスプレイが使われています。ただし、pipitではスタイラス入力もサポートしていたなど機能面で細かな違いはあるようです。
お蔵入りの理由は不具合続発?
pipitに関してはカメラのスペックが少々物足りないものの、ハードウェア自体はほぼ完成されているため、競合が折り畳み式スマートフォンを出す中でGoogleとしてもいち早く折り畳み式スマートフォンを出す意味合いはあったと言えそうです。
しかし、それでもお蔵入りになった原因は初代Tensor搭載のPixel 6で不具合が続発したことや、Android 12Lの出来が悪かったことが可能性として挙げられているようです。
Pixel 6に関しては初めてTensorチップセットを搭載したのですが、通信関連の不具合が続出したことや、指紋認証、ディスプレイなどハードウェア関連の不具合も相次いで報告されるなどGoogleも対応に追われていたと見られています。また、Android 12に関連するバグも多数発生していたため、GoogleではPixel 6やそのあと発売されたPixel 6aの問題解決にリソースを集中するためにpipitはお蔵入りにし、カメラやチップセットのスペックを向上させたPixel Foldを初代折り畳み式スマートフォンとして発売する決断に至ったものと考えられています。
なお、Googleでは2024年夏ごろにPixel 9シリーズを発表し、この中に折り畳み式スマートフォンとしては第二世代目にあたるPixel 9 Pro Foldも発表されると見られています。
Googleの折り畳み式スマートフォンに関しては発売されたPixel Foldの前にほぼ完成していた折り畳み式スマートフォンがあると言われていましたが、それが今回明らかになったpipitと呼ばれるモデルで、筐体デザインを見る限り完成度はかなり高く発売寸前の段階でキャンセルされた可能性が高そうです。ただ、当時2021年終わりごろはPixel 6が発売されたものの、Pixelブランドに傷がつくレベルで不具合続発していたため、pipitに関してはお蔵入りは残念ですが、無理に投入して悪いイメージを植え付けるよりは良い判断だったのではないかと考えられます。
Photos: This is the canceled Pixel Fold that wasn’t good enough for Google | Android Authority
https://www.androidauthority.com/canceled-first-gen-pixel-fold-3454634
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