Intel Lunar Lake『Core Ultra 7 268V』のベンチマークが登場。驚異的な電力効率を発揮
IntelがComputex 2024で発表したLunar Lake CPUでは電力効率に焦点を当てたCPUになっています。P-Coreはハイパースレッディングを廃止したLion Cove、E-Coreは先代のCrestmontに対して大幅な性能向上したSkymontが搭載することで高い性能を低い消費電力を実現し、Arm製CPUにも匹敵するともIntelは述べていますが今回このLunar Lakeを搭載するCore Ultra 7 268VのGeekbench6ベンチマークが初めて登場しました。
Lunar Lakeは全モデル4P+4Eの合計8コアのCPUになっており、今回ベンチマーク計測されたCore Ultra 7 268VではL3キャッシュを12MB搭載し、動作クロックはP-Coreが最大5.0 GHz、E-Coreが最大3.7 GHzで動作し、TDPはPL1が17W、PL2が30Wに設定されたハイエンドモデルになっています。
そんなCore Ultra 7 268Vのベンチマークはシングルコアが2713ポイント、マルチコアが10036ポイントを記録しています。
CPU | TDP / Boost TDP | シングルコア | マルチコア |
---|---|---|---|
Ryzen AI 9 HX 370 | 28W+ (Max 54W) | 2833 | 14773 |
Ryzen AI 9 365 | 28W+ (Max 54W) | 2730 | 13660 |
Core Ultra 9 185H | 45W / 65W | 2261 | 12090 |
★Core Ultra 7 268V | 17W / 30W | 2713 | 10036 |
Core Ultra 5 134U | 9W / 30W | 2026 | 8115 |
Core Ultra 7 268Vは低消費電力CPUであるため、TDPはベースが17W、ブーストが30Wに設定されていますが、このTDPに近いCPUとして挙げられるのがCore Ultra 5 134Uになっています。このCPUに対して、Core Ultra 7 268Vではシングルコアは34%、マルチコアは24%上回るなど驚異的なスコアを見せています。
コア数に関してもCore Ultra 7 268Vは4P+4Eに対してCore Ultra 5 134Uは2P+8Eと言う事で、Core Ultra 7 268Vは2コア少ない状態で20%以上高いパフォーマンスを叩き出すなどP-CoreとE-Coreの性能の高さが伺えます。
他の競合CPUと比べるとRyzen AI 9 365に対してはTDPの違いもあることからマルチコアでは26%ほど劣っていますが、シングルコアでは同等レベルのスコアを出しているなどコア単体の性能はZen 5と十分戦えるレベルの性能であると言え、低消費電力CPUでありながらも、高いパフォーマンスが期待できるCPUになっていると言えそうです。
Lunar Lake-Vを採用するCore Ultra 200Vシリーズは2024年9月17日から24日の間に搭載ノートPCが一斉発売されると言われているため、今後の最適化を踏まえるとさらに性能が高まる事が予測されます。
IntelのLunar Lakeでは刷新されたP-CoreとE-Coreにより電力効率と性能が大きく向上したと言われていますが、今回登場したベンチマークを見る限りIntelの言う通り性能が大きく向上している事が確認できます。特にCore Ultra 5 134Uとの比較ではシングルコア性能が大きく上がっていますが、マルチコア性能も少ないコア数でありながら大きく上がっている事も確認できるなど性能面では懸念すべき事は何も無いと言えそうです。あとはアイドル時やコネクテッドスタンバイなどArm系CPUのSnapdragon Xが得意とする領域にどれだけ近付けるかですが、この結果次第ではWindows on Armのアドバンテージも削がれるため、どのような結果になるか注目です。
Intel Corporation Lunar Lake Client Platform | Geekbench 6
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