IntelがRaptor Lakeの不具合について公式声明を発表。根本原因と対策は調査中。

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IntelがRaptor Lake CPUの不具合について公式声明を発表。BIOSに小修整を加えるも根本的な原因と対策はまだ調査中

Intelの第13世代デスクトップ向けCPUのRaptor Lake-Sと第14世代のRaptor Lake Refreshでは、ハイエンドモデルを中心に一定期間使用後に高負荷時に動作が不安定になるという不具合が確認されています。Intelは2024年4月ごろ、5月中旬を目処に公式声明を発表するとしていましたが、6月を過ぎても公式声明は出されませんでした。その間、海外メディアからはeTVB設定値の不具合が原因ではないかと疑われるなど、さまざまな動きがありましたが、遂にIntelがサポートコミュニティーにて一連の不具合について公式声明を発表しました。

Intelによると、第13世代および第14世代のK/KF/KS CPUにおいて、過去のBIOS設定ではCPU温度が高い状態でも高い動作クロックかつ高い電圧で動作し、CPUの動作不安定化に繋がる可能性があるとのことです。加えて、原因調査の中でEnhanced Thermal Velocity Boost (eTVB)アルゴリズムにバグがあることも発見しました。これは今回の不具合の根本的な原因ではないものの、不安定化の一因となる可能性があるため、各社マザーボードメーカーを通じて修正されたBIOSが2024年7月19日までにリリースされる予定です。

Intelはパートナーと共に根本的な原因究明および対策発表に向けて調査を進めていますが、その間、すべての第13世代および第14世代のK/KF/KS CPUを使用しているユーザーには、Intelが推奨するプロファイル(Intel Default Settings)の適用を推奨しています。

June 2024 Guidance regarding Intel Core 13th and 14th Gen K/KF/KS instability reports – Intel

Intelのコメントによると、まだ根本的な原因や対策については調査中であり、対象のCPUを使用しているユーザーに対しては電力制限を設けるIntel Default Settingsの適用を推奨するにとどまっています。また、既に動作が不安定になったCPUを持つユーザーに対する具体的な対応策はまだ明らかにされていません。

Intelは各社マザーボードメーカーに対して、Intelが推奨する電力設定を盛り込んだ「Intel Default Settings」をBIOSプロファイルとして設定するよう求めており、その詳細設定についても明らかにしています。

設定内容は過去に登場したものと近く、Core i9は基本設定値であるBaselineがPL1が125W、PL2が188Wに設定されています。しかし、今回の発表では新たにCore i7系とCore i5系にもBaselineが加えられています。Core i7系CPUはCore i9系と同じBaseline設定であるため、あまり影響はありません。しかし、Core i5系CPUはPL1が125W、PL2が143Wに設定されており、今までのIntel Default SettingsではPL1が125W、PL2が188Wに設定されていたため、今回の設定値を反映することでCore i5系CPUではさらなるパフォーマンス低下が予想されます。

Intelは今後も調査を続けるとのことですが、2024年9月にはArrow Lake-Sの発表も控えています。それまでに問題が解決しなければ、ユーザーからの信頼を失い、新しいCPUの発表および発売に水を差す結果となる可能性があります。そのため、Intelには早急な原因究明と不具合が発生しているCPUに対する保証の対応を明確にする必要があります。

コメント

IntelのRaptor Lake系CPUに関連した不具合について、Intel側からは断片的にしか情報が提供されていませんでした。声明発表も当初予定の5月中旬から大きく遅れていましたが、根本的な原因が不明ながらも現在の進捗を明らかにした点は評価できます。ただし、根本的な原因が不明であることや、不具合を受けているユーザーに対する対応がまだ不明確であるため、これらの点も早急に明らかにされることが望まれます。

特に、ここでの対応を誤れば、Arrow Lake-Sの販売にも大きな悪影響を与えることは確実です。そのため、RMA期限の延長などの具体的な対応策が望まれます。

ソース

June 2024 Guidance regarding Intel Core 13th and 14th Gen K/KF/KS instability reports | Intel Community

https://community.intel.com/t5/Processors/June-2024-Guidance-regarding-Intel-Core-13th-and-14th-Gen-K-KF/m-p/1607807

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この記事を書いた人

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
幼い頃から自作PCなどに触れる機会があり、現在は趣味の1つに。
高い買い物でもある自作PCやガジェットをこれから買おうと思ってる人の役に立てるような記事を提供できるよう心がけています。
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コメント

コメント一覧 (2件)

  • 新しく出るマイクロコードで性能落ちるくらいなら、冷却システムは間に合ってるからBIOS適用はしないな
    不安定にもなってないしなったとしたら新CPUまで抑え目の設定でいくだけ

  • やはり個人としてのコメントがあるとただ外国のソースを和訳するだけのいい加減な連中より感じがいい
    (キツイ言い方だけど他に的確な言葉を表せないのでご勘弁を)

    この先も応援してます

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