TSMCが2025年に3nmウェハー価格を5%、CoWoSパッケージングは20%ほど値上げ予定
TSMCの最先端プロセスである3nmプロセスは高い価格ではあるものの、高い性能と歩留まりを実現していることから、2023年にはAppleが、そして2024年からはIntel、AMD、Qualcomm、MediaTekなどのチップセットメーカーが主力製品への採用を進めています。また、この3nmプロセスのほかに、複数のHBMとチップセットをパッケージ化するCoWoSについては、NVIDIAやAMDなどが生成AI向けチップ向けに供給力を上回る注文を行っていると言われています。このような背景から、TSMCでは3nmおよびCoWoSパッケージングについて値上げを検討していることが明らかになりました。
工商時報によると、TSMCの最先端プロセスである3nmプロセスでは供給能力に対して注文が上回っている状況が続いており、注文状況としては2026年生産分まで埋まっているとのことです。これは、Appleをはじめ、Intel、AMD、Qualcomm、MediaTekなどが主力製品にこの3nmプロセスを採用し始めていることや、生成AI特需などで需要が増えていることが背景にあるようです。そのため、TSMCでは需要に即して値上げを検討しており、3nmプロセスについてはウェハーあたりの価格を5%ほど値上げする見込みになっています。
TSMCの各製造プロセスは微細化される度に25~60%ほど値上がりしており、値上げ前でも7nmと比べると2倍、5nmと比べると25%ほどウェハー辺りの単価が上がっています。そのため、3nmが5%値上がりすることで5nmと比べると30%ほどウェハー辺りの単価が上がるなど、これらの先進プロセスを採用する製品では値上がりが予想されます。
CoWoSパッケージングは最大20%の大幅値上げ
複数のHBMやチップセットをパッケージ化するCoWoSは、NVIDIAやAMD、Intelのサーバー・データセンター向け製品にて採用されている技術ですが、このCoWoSパッケージングについては生成AI向けハードウェアの需要拡大に伴い、供給能力を大幅に上回る注文が入ってきているとのことです。この動きを受けて、TSMCではCoWoS関連の生産設備を2024年第3四半期に追加する予定ですが、需要拡大を受けてCoWoSパッケージングについては2025年から最大20%の供給価格値上げを検討しているとのことです。
TSMCではこの供給価格値上げを原資に、研究開発費や生産設備の追加などを検討しており、ライバルのサムスンや2026年以降に稼働するRapidusに対して距離を広げる狙いがあるようです。
CoWoS夯爆 台積漲價在即 | 工商時報
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