Phisonがヒートシンク不要な低消費電力PCIe Gen 5 SSDコントローラー『E31T』発表。最大10GB/sの読み書き性能を実現
PCIe Gen 5対応NVMe SSDでは最大14 GB/sという読み書き性能を実現するために高性能なSSDコントローラーを搭載しています。しかし、高性能であるが故に発熱が大きく現在市販されているPCIe Gen 5 NVMe SSDに一般的に搭載されているPhison E26コントローラーを搭載する場合はサーマルスロットリングが発生しないように巨大なヒートシンクかファン搭載ヒートシンクが必要となっていますが、Phisonは低消費電力化した新しいPCIe Gen 5コントローラーを2024年末以降に投入予定であることを明らかにしました。
Phisonの低消費電力化したPCIe Gen 5 SSDコントローラーはE31Tと呼ばれるコントローラーで、PCIe Gen 5対応SSDコントローラーとしては世界で初めてDRAMレスを実現したコントローラーになっています。これにより大幅なコストの低減が可能になります。さらにコントローラー自体はTSMC 7nmで製造されるCortex-R5コアを2コア搭載することで、低消費電力でありながら最大10 GB/sの読み取りと書き込み性能を実現し、4Kランダム読み書きも150万 IOPSを実現しています。
Phisonはこのメモリーコントローラーの投入により今まではハイエンドモデルが主流だったPCIe Gen 5対応NVMe SSDをミドルレンジモデルとして販売可能な価格帯まで下げることが可能であるとのことで、今後はより安価なPCIe Gen 5対応NVMe SSDが市販され、メインストリームになることが期待されています。
PhisonではこのE31コントローラーを2024年第4四半期に出荷予定で、実際にこのSSDコントローラーを搭載した製品は2025年第一四半期ごろに発売されるとみられています。
2024年6月時点で販売されているPCIe Gen 5対応NVMe SSDは巨大なヒートシンクを搭載したハイエンドモデルが多く、一般的なユーザーはPCIe Gen 4対応NVMe SSDを購入しているのが現状です。しかし、このPhison E31Tが登場すれば速度はハイエンドなPCIe Gen 5対応NVMe SSDで見られるような14 GB/sには及びませんが、PCIe Gen 4対応NVMe SSDの最大速度の7 GB/sを超える性能であるため、価格次第ですがPCIe Gen 4対応NVMe SSDに近い価格で販売できれば一気に普及すると考えられます。そのためこのPhison E31T搭載製品には期待がかかります。
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