AMD Ryzen AI 300シリーズのCopilot+は2024年末にアップデートで対応へ。発売時点では非対応に
AMDがComputex 2024で発表した次世代APUのRyzen AI 300シリーズではAI処理を担うNPUに最新のXDNA2アーキテクチャーを採用することで、最大50 TOPsの処理性能を有すると言われています。そのため、Microsoftが投入するCopilot+にも対応する事が可能になっていますが、AMDではこのCopilot+対応についてRyzen AI 300シリーズ搭載ノートPCが発売されてすぐには対応せず、2024年のどこかでアップデートを経た対応となることが明らかになりました。
我々(AMD)ではCopilot+を2024年終わりまでにリリースすることを予定しています
Matthew Hurwitz, AMD
AMDではRyzen AI 300シリーズがCopilot+に対応することは明言しているものの、搭載ノートPC発売と同時に対応するのか、後ほどリリースされるのかなどは明確にしていませんでしたが、AMDのMatthew Hurwitz氏によるとCopilot+は2024年終わりまでにリリースする予定であることを明らかにしています。つまり、2024年7月にRyzen AI 300シリーズ搭載ノートPCが一斉発売される時点ではCopilot+には対応することはできず、XDNA2が持つNPUをWindows 11側で活用する機能はしばらくの間使えない事を意味します。
この遅れの原因は明確にはなっていませんが、AMDではCopilot+についてMicrosoft側からの動作要件を満たしているかの検証作業がまだ終わっていないようで、これらが終わり次第Windows Update経由でCopilot+の機能が提供される見込みのようです。それまでは、このCopilot+に対応するチップセットは2024年6月18日から発売されるQualcommのSnapdragon Xシリーズのみになります。
このRyzen AI 300シリーズがCopilot+に発売時点で対応しないというのは残念な知らせとも言えますが、影響範囲としては案外小さくなると見られています。特にCopilot+の目玉機能の1つでもあるRecallはセキュリティーへの懸念から導入が見送られています。また、ローカルでAIを用いた画像生成や編集が行えるCocreatorやRestyle Imageなどと言った機能もプロンプトはオンラインに送られるなど、完全ローカルではないようで、同様の機能はDall-EやMidjourneyを通じても行えます。
AMDのRyzen AI 300シリーズではCPUやGPUの機能よりNPUを目玉機能として紹介していましたが、発売当初から対応できないのは少々拍子抜けな感じがします。この対応の遅れはCopilot+の有効化にはMicrosoft側の検証が必要なような書き方がされていますが、仮にそうであればもしかしたらMicrosoftはQualcommと近い関係にあるためSnapdragon Xシリーズにしばらく独占的にこの機能を与えるためではないかと疑いたくもなります。
ただ、正直Copilot+はおまけ程度の機能で実際に役に立つのかもまだわかりません。そのため、Ryzen AI 300シリーズで期待されている内蔵GPU性能やCPU側の電力効率が高ければこのCopilot+非対応と言うのはあまり影響が無いかもしれません。
AMD confirms Ryzen AI 300 PCs won’t feature Copilot+ features at launch — will arrive via Windows Update later this year | Tom’s Hardware
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