PowerColorがNPUを内蔵したRadeon GPUを開発中。ゲーム時の消費電力を低減
Computex 2024ではAI対応が大きなテーマになっており、IntelやAMD、そしてQualcommが新たに投入するCPUには強力なNPUが搭載されています。このNPUを搭載することで画像生成などの他にWindows 11に新たに追加されるCopilot+とRecall機能を低い消費電力で動作することが可能になります。
そんな、最近話題のNPUを主にAMDのRadeon GPUを製造するAIBのPowerColorが次世代グラフィックスカードへの搭載を目的にNPUを搭載したRadeon RX 7900 XTXの試作機を披露し、ゲーム時の消費電力が大幅に削減できる事をデモで披露しました。
このデモで用いられたRadeon RX 7900 XTXにはAI向けSoCを製造するKneron製NPUを搭載しており、具体的なTOPs性能は明らかにされていませんが、負荷に応じてGPUの電力制限を動的に制御するのに用いられているようです。
その結果、Cyberpunk 2077では263.2W、Final Fantasy XVでは338.6Wの消費電力が記録されていました。しかし、このNPUを活用することでCyberpunk 2077では205.3W、Final Fantasy XV使用時は262.9Wと約22%の消費電力低減が記録されているとのことです。
ただ、消費電力が22%程度低減していますが、これによってフレームレートも10%程度下がっているため消費電力の低減を優先したときに最適な機能になっています。
ただ、このNPUを使って実現している機能自体はAMDであればRadeon ChillやRadeon Boostなどソフトウェアを使って実現もできそうな機能でもあります。そのため、ソフトウェアベースで消費電力を下げる調整に対して、NPUによる自動調整がどれだけ高い効果を発揮するのかなど詳細な比較結果が待たれるところです。
なお、今回Radeon RX 7900 XTXにNPUを搭載した製品はデモ機であり、具体的にいつ頃登場する製品に搭載されるかなどは明らかにしていません。ただ、AMDでは2024年末から2025年はじめにかけてRDNA4搭載のRadeon RX 8000シリーズを投入すると言われているため、このタイミングでPowerColorはNPUを組み合わせたグラフィックスカードを投入する可能性がありそうです。
また、NPUと言うとCopilot+などへの対応も考えてしまいそうですが、このNPUはあくまでGPUの制御に使うだけで外部のアプリケーションがNPUを使う事は出来ないようです。
このRadeon RX 7900 XTXに搭載されているNPUは主にグラフィックカードの制御にのみ使われるもので、Copilot+に使えると言ったものは一切ないようです。また、NPUによる制御もソフトウェアで対応できそうな項目であるためわざわざNPUを搭載する事によるコストに対して得られるメリットのバランスが悪い様に思えます。この辺りは実際にソフトウェアベースの制御との比較をしないとわかりませんが、単なる話題作りのために無理やりNPUを搭載しているように個人的には見えてしまいます。
TUL Adopts Kneron AI NPU for New Generation Graphics Cards, enhancing Power Consumption | Kneron
https://www.kneron.com/ja/news/blog/197
harukaze5719 | X (Twitter)
コメント
コメント一覧 (1件)
先生! Radeon7xxxシリーズに搭載されている、RadeonAIが息をしていません。
助けてください❗️