AMD Ryzen 9000シリーズとして発売される4モデルのスペック情報が判明。動作クロックやキャッシュ容量はほとんど変わらず
AMDは2024年6月開催のComputex 2024の基調講演でZen 5アーキテクチャーを搭載するデスクトップ向けCPUのRyzen 9000シリーズを発表し、7月に発売を予定していますが、今回このCPU発売時にラインアップされる4モデルのコア数や動作クロックなど基本的な仕様について明らかになりました。
AMDのRyzen 9000シリーズは数日前から登場しているリークの通り、発売時には4モデルをラインアップし、上位モデルからRyzen 9 9950X、Ryzen 9 9900X、Ryzen 7 9700X、Ryzen 5 9600Xが投入されます。
仕様はRyzen 9 9950Xが16コア32スレッドで、動作クロックは最大5.7 GHz、キャッシュ容量はL3が64MB、L2が16MBで合計80MBでTDPが170Wに設定されます。このモデルは現行のRyzen 9 7950Xに対して全く同じ仕様で、CPUアーキテクチャーがZen 4からZen 5に置き換えられたことで性能向上を図るようです。
Ryzen 9 9900Xは12コア24スレッドで、動作クロックが最大5.6 GHz、キャッシュ容量が64MB+12MBで合計76MBでTDPが120Wで構成されます。これは現行のRyzen 9 7900Xに対してコアやキャッシュ容量、動作クロックは同じですが、TDPは170Wから120Wに引き下げられているため、Zen 5を採用したことで電力効率が向上し、消費電力が下がっていると考えられます。
Ryzen 7 9700Xは8コア16スレッドで、動作クロックは5.6 GHz、キャッシュは合計40MBでこちらも現行のRyzen 7 7700Xと全く同じですが、TDPが105Wから65Wと大きく引き下げられている一方で、性能は同等以上を確保すると考えられるため、こちらも電力効率が大きく上がっていると言えそうです。
最後に最廉価モデルとなるRyzen 5 9600Xも現行のRyzen 5 7600Xと同じく6コア12スレッドで、動作クロックは最大5.5 GHzでキャッシュ容量は38 MBで構成されます。こちらもRyzen 7 9700Xと同じくTDPが105Wから65Wに大きく引き下げられているため、性能がそのままに消費電力を下げることで電力効率向上を図っています。
現行のRyzen 7000シリーズではRyzen 9系は170W、Ryzen 7と5は105Wに設定されるなどTDPが比較的高くなっていましたが、Ryzen 9000シリーズではRyzen 9 9950Xを除き、TDPが引き下げられるため強力なCPUクーラーが不要になるなどより扱いやすくなっています。これに加え、性能はRyzen 7000シリーズより向上すると考えられるため、電力効率の観点では大幅な向上が期待できると言えそうです。
Ryzen 9000シリーズの初期ラインアップとして登場する4モデルは仕様的にはRyzen 7000から大きな変更はなくあまり面白みがありませんが、Ryzen 9 9950X以外はTDPが下がっているのですが、現行モデルに対してどれぐらい性能を伸ばすのか注目と言えそうです。
個人的には動作クロックと消費電力を闇雲に上げて性能を大きく伸ばすぐらいなら、性能は小幅な向上でもいいので今より消費電力を下げてくれた方が扱いやすいです。
なお、今回登場するRyzen 9000シリーズは7月に発売されますが、今後Ryzen 9000X3DやRyzen 9000無印モデルはIntelが投入するArrow Lakeにぶつける形で10月や11月ごろに投入していくと考えられています。
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