NVIDIA GeForce RTX 4070 Ti SUPERのメモリーを26Gbps化に魔改造する猛者現る。結果はRTX 4080 SUPERを超える性能に
NVIDIAのGeForce RTX 4070 Ti SUPERは2024年に発売されたグラフィックカードで、RTX 4070 Tiに対してバス幅が192-bitから256-bitに拡大された一方で、メモリー仕様はGDDR6X 21Gbpsを引き続き採用しています。ただ、このメモリーはオーバークロックを行う事で24~25Gbps程度までオーバークロックする事が可能になっていますが、今回海外のYoutuberがRTX 4070 Ti SUPERに搭載されている21Gbpsのメモリーモジュールを24Gbps品に交換し、最大26Gbpsで動作させる魔改造を行っています。
この魔改造ではRTX 4070 Ti SUPERに備えられているMicron製21Gbpsメモリーをすべて24Gbps品に交換し、さらにvBIOSを書き換えるなど専門的な知識が要求される改造を行っていますので一般ユーザーが行えるような改造ではありません。なお、メモリーモジュールを交換後は最初から備え付けられていたグラフィックカードクーラーを用いてベンチマークを行っています。
なお、ベンチマークでは定格に加え、GPUを+200 MHz、メモリーは+2000 MHzにオーバークロックされています。これによりメモリー速度は26Gbpsで動作していますが結果は以下の通りになっています。
仕様 | Superposition 8K benchmark |
---|---|
GeForce RTX 4080 SUPER (定格) | 8736ポイント |
GeForce RTX 4080 (定格) | 8525ポイント |
GeForce RTX 4070 Ti SUPER (26Gbps) | 9133ポイント |
GeForce RTX 4070 Ti SUPER (24Gbps) | 8870ポイント |
GeForce RTX 4070 Ti SUPER (定格) | 7212ポイント |
NVIDIAのGeForce RTX 4080 SUPERでは23Gbps、RTX 4080では22.5GbpsのGDDR6Xを搭載していますが、GeForce RTX 4080 SUPERとRTX 4080 Ti SUPERの間には20%以上、RTX 4080との間には18%程度の性能差がありました。しかし、RTX 4070 Ti SUPERのGPUを+200MHzにオーバークロックし、メモリー速度を24Gbpsへ引き上げるとRTX 4080 SUPERを1.5%上回る性能を発揮し、メモリー速度を26Gbpsへ引き上げた場合にはRTX 4080 SUPERを4.5%上回る性能を発揮するという結果になっています。
今回の結果を見て、RTX 4070 Ti SUPERのメモリーモジュールを交換するという選択肢はほとんどの人は取ることができませんが、NVIDIAでは2024年から2025年にかけて28Gbps以上の動作速度を持つGDDR7搭載のGeForce RTX 5000シリーズを発売予定であるため、これらのグラフィックカードでは仮にCUDAコア数などがあまり増えなかったとしてもメモリー速度の向上だけでゲーミングパフォーマンスの大幅な向上が期待できると言えます。ですので、RTX 4070 Ti SUPERなどハイエンドグラフィックスカードの購入を検討している人はRTX 5000シリーズ登場まで待った方が良いかもしれません。
GeForce RTX 4000シリーズではミドルレンジモデルを中心に128-bitや192-bitなどバス幅が制限されているため性能があまり大きく上がっていない印象でしたが、メモリー速度を上げるだけでここまで性能が上がるのであれば仮にRTX 5000シリーズでバス幅が据え置きとなってもGDDR7さえ搭載されれば大幅なパフォーマンス向上が期待できると言えそうです。逆に言えば、RTX 4000シリーズはメモリー速度さえ速められればさらにパフォーマンス向上が見込めるとも言えますので、この結果を知るとRTX 4000シリーズは惜しいグラフィックスカードなんだなと感じますね。
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