AMDのInstict MI300XがAI GPU市場で7%程度のシェアを確保へ。急伸の原因はNVIDIA GPUの供給難
最近ブームになりつつあるAIについては、元々機械学習分野に長い間投資をしていたNVIDIAはAI処理性能における高い性能とエコシステムによりHopper H100など高価なサーバー・データセンター向けGPUが飛ぶように売れています。ただ、NVIDIAのライバルでもあるAMDは対抗してAI処理性能を飛躍的に高めたInstinct MI300Xを投入していますが、同モデルについてはコストパフォーマンスの高さから堅調な注文を獲得しており、出荷が始まればNVIDIAが寡占するAI向けGPU市場で一気に7%ものシェアを獲得する可能性が出てきている様です。
AMDのInstict MI300Xのシェアが急激に伸びる背景としては、NVIDIAのGPUは人気が高いものの需要が非常に大きく納品までの時間が3か月程度と長く、データセンターを構築するなど大量注文をした場合は1年近くかかると見られています。そのためスタートアップ企業から大手企業含めてできるだけ早くAI処理のための学習などを始めたい企業などは比較的入手しやすいInstict MI300Xの投入を進めている様です。また、注文から納品までのリードタイムの長さのほかにコストパフォーマンス面でもNVIDIAのHopper H100やBlackwellは人気があることから強気な価格設定になっているため、AMDのコストパフォーマンスに振った価格設定もAMDが伸びる背景の1つになっています。
なお、MicrosoftやMetaなどの大手企業ではAMDのAI GPUをテストしていると言われているため、ここでコストパフォーマンスなどを評価されれば大量投入につながるなどさらなるシェア獲得が実現すると考えられます。
AMDはサーバー・データセンター向けCPUでIntelからシェアを奪った際にはコストパフォーマンスの高さで戦いに行ってたのですが、同じ戦法でAMDはNVIDIAからシェアを奪い取る作戦のようで、今のところはNVIDIAの供給難などもあり上手くいってそうです。しかし、NVIDIAもIntelの失敗を見てきていますし、AMDの動きも想定していると考えられますので10%ぐらいまでならシェアを伸ばせるかもしれませんが、それ以上伸ばすとなるとコストパフォーマンスに振るだけではなく、NVIDIAを超えるような性能のGPUも同時並行で出す必要があると言えそうです。
AMD MI300X即将大量出货:有望抢下7% AI市场 | 快科技(中国語・簡体字)
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