AMDのLinux向けKernel Patchを解析したところ、Radeon RX 6500シリーズに搭載されるNavi23に搭載されるInfinity Cacheの容量が判明しました。また、同時にRDNA 2を採用するAPU、VanGoghとCDNA2を採用するInstinct acceleratorsではInfinity Cacheは非搭載である事も判明しました。
Vega10以降のGPU向けに情報が更新
AMD confirms Navi 23 has 32MB of Infinity Cache while VanGogh APU lacks it – VideoCardz.com
今回のLinux向けKernel Patchでは、L1キャッシュの情報が更新されるとともに、L2/L3に関する情報が追加されたとされています。また、これらの変更はVega10以降の新しいGPUに適用されるとの事です。これには、Vega10以降のGPU、つまりNavi23やVan Gogh、CDNA2を採用するInstinct MI200も含まれています。
Navi 21(RX6900,RX6800)/22(RX6700XT)/23(RX6500XT?)
Kernel PatchではSienna Cichlid (Navi21=RX6900XT,RX6800シリーズ)、Navy Flounder (Navi 22=RX6700XT)、Dimgrey Cavefish(Navi23=RX6500シリーズ?)の3つのGPUです。Infinity Cacheについては直接記載はされていないものの、L3 Cacheに関する情報がInfinity Cacheを意味しています。
このL3 Cacheの情報を見ると、Navi 21では128*1024(128MB)、Navi22では96*1024(96MB)で最新のRadeon RX 6700 XTのInfinity Cache容量とも合致しています。そして、Navi23では32*1024(32MB)となる事が記載されています。
Zen 2+RDNA 2のAPU『VanGogh』とInstinct MI200 Aldebaran
このKernel PatchではZen 2+RDNA 2を採用するAPU、VanGoghとInstinct MI200 Aldebaranの情報についても記載されていますが、この2モデルについてはInfinity Cacheについては一切搭載がされない模様です。Instinct MI200についてはゲームでは無く、計算用途が主目的のため、Infinity Cache非搭載については想定の範囲と言えます。一方でVanGoghについてはAPUであるため、ゲーミング性能が重視されるはずですがこちらもInfinity Cacheは非搭載となっています。このVanGoghについては、情報が出ておらずミドルレンジ帯のAPUと言う情報の他に、一部では特殊用途向けのAPUなのか、はたまた未発表の携帯型コンソール向けCPUの可能性が指摘されています。
今回は、Navi23などが現れましたが、このNavi23がどのRadeon RX 6000シリーズラインアップに属するのかは明確には分かっていません。ここでは、Radeon RX 6500シリーズとして登場する前提で記載していますが、一部ではNavi 23はRadeon RX 6600シリーズとなり、Navi24と呼ばれるGPUがRadeon RX 6500となるという噂もありますので注意が必要です。
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