Ethereumのマイニングに対して制限を付けていたNVIDIA GeForce RTX 3060でしたが、開発者用ドライバーを導入する事でマイニング制限は完全に解除されてしまう事が確認されてしまいました。この件について、NVIDIAは開発者用ドライバーでは意図せずマイニング制限を解除してしまった事を公式に認めました。
初歩的ミスですべてが台無しに。GeForce RTX 3060のマイニング制限解除問題
開発者用ドライバーでGeForce RTX 3060のマイニング制限は回避可能に
昨日(3/15)、様々なテック系情報サイトを賑わせたのが、GeForce RTX 3060に搭載されていたマイニング制限が解除されたという話です。
GeForce RTX 3060ではEthereumのマイニングに対して制限が施されており、解除が容易にされないようにvBIOSやドライバーなどソフトウェア面そしてハードウェア面でも保護がかけられていました。
Hi Ryan. It’s not just a driver thing. There is a secure handshake between the driver, the RTX 3060 silicon, and the BIOS (firmware) that prevents removal of the hash rate limiter.
— Bryan Del Rizzo (@bdelrizzo) February 19, 2021
しかし、NVIDIAが公式サイトで開発者用ドライバーとして配布していた470.05ドライバーをインストールするとそのEthereumマイニング制限がすべて解除されてしまいました。
NVIDIAは意図せずマイニング制限を解除
この件について、hardwareluxxのAndreas Schilling氏がNVIDIAに問い合わせたところ以下のような返信があったとの事です。
開発者用ドライバーでは意図せずRTX 3060のマイニング制限を解除してしまう設定が含まれた状態で配布されてしまいました。
ドライバーは取り下げられました。
ーNVIDIA
原文
A developer driver inadvertently included code used for internal development which removes the hash rate limiter on RTX 3060 in some configurations.
The driver has been removed.
— NVIDIA
この問題となっている開発者用ドライバーですが、不幸中の幸いなのか、どんな環境でも動作する訳ではないとの事です。例えば、ディスプレイ出力がされていなかったり、ライザーケーブルに挿されている場合はGPUが正常に動作しないとの事ですので、ライザーケーブルなどを使った大規模なマイニングリグなどでは利用はできません。また、Redditなどによると、ZOTACやInno3D製のグラフィックカードでは正常に動作しない場合があるとの事ですので、大量のRTX 3060を使ってマイニングするには少々、取り扱いににくくなっています。
NVIDIAの開発者用ドライバーのダウンロードサイトに行っても既に該当のドライバーは取り下げられておりダウンロードは不可能となっています。しかし、検索をかければGoogleドライブなどにアップロードしている人も居るため、RTX 3060のマイニング制限については実質的に解除されたも同然と言えます。ただし、ライザーケーブルを介さず、直接マザーボードに挿している事がGPU動作の条件など大規模なマイニングに使うには使い勝手が悪い点はNVIDIAは救われたかもしれません。
少しポジティブに捉えると、マイニング制限がクラックされた訳では無いため、今後登場予定のRTX 3080 TiやRTX 3070 Tiではこのようなミスは起きにくく、依然としてマイナー達が手を出しにくい状況は続く事です。
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