AppleのM3 MacBookは年内に発売されない可能性。TSMCの歩留りがネックに

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Apple M3搭載のMacBookシリーズは年内に発売されず。TSMC 3nmの歩留りがネックに

Appleでは2023年中にTSMC 3nmで製造されるSoCであるA17 BionicをiPhone 15シリーズを2023年9月頃に発売し、近いタイミングで同じくTSMC 3nmで製造されるApple M3搭載のMacBookを発売すると言われていましたが、この中でMacBookについてはTSMC 3nmの歩留まりがあまり良くない事から年内に発売される可能性がかなり低くなってきているようです。

Apple関連の著名なアナリストであるMing-Chi Kuo氏によると、Appleが2023年9月12日に開催するWonderlustイベントではiPhone 15シリーズが発売されますが、同時にMacBookシリーズについても新型が発売されるかが焦点となっていました。しかし、MacBookについては内蔵されるApple M3 SoCが製造されるTSMC 3nmの歩留まりが非常に悪い事が原因で年内に発売が行われない見込みとのことです。ただ、iMacについてはMacBookとは状況が異なり、内蔵SoCがM1のままで止まっているため性能面でアップグレードを行うべく先行でM3搭載版が年内に発売される可能性は残されているようです。

M3 SoCは上述の通りTSMCの3nmで製造され、CPUとGPUの性能が向上するだけでなく、プロセス微細化を通じて消費電力も少なくなるとされています。これはMacBookのラインアップでバッテリー寿命をさらに伸ばす大きな要素になると考えられています。また、Appleは2024年にM3 ProとM3 Maxを搭載した14インチと16インチのMacBook Pro、さらにはM3 UltraチップがMac ProとMac Studioに搭載される計画になっています。

TSMC 3nmを活用したApple A17とM3 SoCの歩留りは55%程度。iPhone15などでコスト高騰や出荷量が減少する可能性。

一方で、このM3を製造するのに必須となるTSMC 3nmについては2023年7月時点では歩留りが55%程度と言われており、費用の支払いについては通常は歩留まりに関わらずウェハー1枚辺りで請求されるものが、低すぎる歩留りから良品のみを請求対象とする異例の対応を行っています。また、生産量についても当初はウェハー10万枚ほどを予定していたものの、歩留まりが極度に悪いためウェハーで言うと5.5万枚のみが良品であるため、Appleとしてはダイサイズが小さく収益が得られやすいiPhone 15シリーズに使われるA17 Bionicの製造を優先し、ダイサイズが大きく良品ダイが取れる可能性が低いM3については後回しにするという判断を下したと考えられています。

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