QualcommのSnapdragon 8 Gen 4はすべてサムスン3nmで製造される見通し。TSMC 3nmは供給能力不足でやむを得ず変更された模様。
Qualcommの主力スマートフォン向けSoCであるSnapdragon 8シリーズについては毎年新SoCを投入しており、2024年頃にはSnapdragon 8 Gen 4を投入すると見られています。このSnapdragon 8 Gen 4については3nmプロセスを用いて製造が行われ、AppleのA17 Bionicに対抗するモデルとして期待されています。
このSnapdragon 8 Gen 4で用いられる3nmプロセスについては歩留り面や信頼性などを考慮してサムスンとTSMCの両方を使うデュアルソーシング化が行われるという話が最初に登場していましたが、その後はサムスンの3nmの歩留りが悪い事からTSMCに一本化されたと2023年5月頃にはリーク情報が登場していました。
しかし、どうやらTSMCの3nmの歩留りが思った以上に悪い他、TSMCの最優先顧客であるAppleが3nmのキャパシティーのほとんどを押さえた事が原因でQualcommはサムスン製の3nmを採用せざるを得ない状況になってしまっているようです。
All variants of 8 gen 4 will use SF
— Mapple_gold (@MappleGold) August 13, 2023
Qualcomm Snapdragon 8 Gen 4に関しては、2023年5月のリークに基づくと、当初はTSMCとサムスンのデュアルソーシングが計画されていました。しかし、TSMCでは3nmプロセスの歩留りが55%程度と非常に低く、良品分のみの請求への変更など、一連の困難が報告されています。対照的にサムスンは3nmプロセスで60%前後の歩留りを達成しており、これがQualcommにとって魅力的に映る理由となっているようです。
さらに、TSMCにおける3nmプロセスの低い歩留りは、供給の面でも問題となっています。3nmの最優先顧客であるAppleや、残りのキャパシティを押さえたMediaTekなどにより、Qualcommが必要とする供給量を確保することが困難になっているのです。
この状況が、Qualcommがサムスン製ファウンドリーの全面採用への方針転換につながったとされています。この切り替えにはSnapdragon 8 Gen 1の発熱問題や低い歩留りなどの懸念点が挙げられますが、歩留りの面では現時点でTSMCを上回っており、懸念は薄れていると言えるでしょう。また、発熱問題に関しても、Qualcommがサムスン製ファウンドリーから受け取ったサンプルの品質が「驚くべきもの」であったため、サムスンの3nmプロセスで採用されるGAAFETの高いパフォーマンスによって、再度チャンスを与える判断が下されたと見られています。
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