NVIDIAの次世代GPU、GeForce RTX 5000シリーズでは最大512-bitのバス幅に。一方でGDDR7の採用は見送り?
NVIDIAでは例年、2年に一度のペースで新アーキテクチャーを搭載したコンシューマー向けグラフィックスカードのGeForce新シリーズを発表しており、GeForce RTX 4000シリーズが2022年末に発売された事から、次世代モデルのGeForce RTX 5000シリーズについては2024年に発売すると見られていました。
しかし、ここ最近はグラフィックスカードがほとんど売れないなど市場が冷え切っている一方で、AI用途においてはグラフィックカードの需要が非常に高まっている事からNVIDIAでは2024年はAIやデータセンター向けグラフィックスカードであるHopperの後継のBlackwellのみ発売し、GeForce RTX 5000シリーズは2025年に発売する方向になっています。
今回、そんなGeForce RTX 5000シリーズに関して、メモリーのバス幅に関するリーク情報が登場しました。
Combined with multiple sources, I confirm the gaming flagship of Ada-next will have a 512-bit memory interface.
— kopite7kimi (@kopite7kimi) July 27, 2023
Kopite7kimi氏によると、Ada Lovelace世代であるGeForce RTX 4000シリーズの後継となるGeForce RTX 5000シリーズについてはフラッグシップモデルは512-bitのバス幅を持つメモリーインターフェイスが搭載される見通しとのことです。
現行の最上位グラフィックカードであるGeForce RTX 4090では384-bitのバス幅であることから512-bitと言うと1.3倍のバス幅となり、帯域幅が拡大される事でグラフィックカードの性能が大きく引き上げられると見られています。
メモリーバス幅はメモリーモジュールの数に直結しています。一つのメモリーモジュールごとのバス幅は32-bitであり、したがって384-bitのバス幅を実現するには、GeForce RTX 4090のように、全体で12枚のメモリーモジュールが必要です。それぞれのメモリーモジュールの容量が2GBであると、全体で24GBというVRAM容量が確保されます。
一方、512-bitのバス幅を実現したい場合、16枚のメモリーモジュールの搭載が必要となります。これにより次世代のRTX 5000シリーズの最上位モデルは、1GBのメモリーモジュールを採用した場合には16GBのVRAM容量となります。しかしながら、この選択はRTX 4000シリーズで見られた通りVRAM容量を減らせば批判を避けられないと予想されます。そのため、2GBのメモリーモジュールを採用して32GBのVRAM容量を実現すると考えられます。
なお、2025年に発売されるグラフィックカードという事でGeForce RTX 5000シリーズはGDDR7の採用が有力視されていましたが、今回512-bitのバス幅を採用するというのが事実であればGDDR7の採用は見送られる可能性があります。
現行のRTX 4090が21GbpsのGDDR6Xと384-bitのバス幅を採用して1TB/sの帯域幅を得られていますが、512-bit化すれば21GbpsのGDDR6Xでも1.34 TB/s、24GbpsのGDDR6Xであれば1.54 TB/sの帯域幅が得られる事になります。
GDDR7すればメモリー速度は32Gbps程度になるため、512-bitのバス幅と組み合わせれば2 TB/sの帯域幅が得られます。
ただ、バス幅の512-bit化もGDDR7化も両方とも非常にコストがかかる対応となっている他、GDDR7については2024年末頃から本格的に量産されると言われているため早期の採用は競争力を高めるには良いですが日程遅延とコスト増のリスクに晒されます。加えてNVIDIAではRTX 4000シリーズからキャッシュ容量を増やす事でメモリー帯域幅への負担を減らすようにするアーキテクチャーが採用されるなど、512-bitとGDDR7を組み合せた2 TB/sの帯域幅はオーバースペックと考えられるため、恐らくバス幅を512-bitとする代わりに2025年発売のGeForce RTX 5000シリーズでは引き続きGDDR6Xを採用する方向であると考えられます。
コメント
コメント一覧 (4件)
おおっこれは久々に買っても良いかなという製品だな、ちょっと期待。
40万超えるかな?
AIでホクホクの革ジャンが適正価格で売るわけ無いし。
次もボッタクリだろ?
>>おおっこれは久々に買っても良いかなという製品だな
新製品が発表される度に言われてるけど、現状を見るとどうなんだろ。
実物が出てこないと何とも言えないかな。
別に気にしなくてもいいんじゃない。